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動画制作未経験でもCPAを4分の1に削減!ベネッセが取り組む動画制作のインハウス化に直撃

動画広告でCPAが4分の1になった理由

――インハウスでのクリエイティブ制作を開始してから、現場ではどのような効果や成果、変化があらわれましたか。

上野:コストパフォーマンスが非常に向上したという話は、各現場から挙がっています。今までは外注で1本につき数万円から高いものでは数十万円単位で発注していたものが、社内でスピーディーに量産できるようになったためです。

 たとえば、現在はKids&Family事業部の「たまごクラブ」「ひよこクラブ」「いぬのきもち」などのメディアだけでなく、「こどもチャレンジ」「進研ゼミ」などでも使い始めているのですが、そこで使う動画というのは、お子様の年齢によってまったく違うキャンペーンが動くので1つずつ個別に作る必要があります。

 外部に依頼していたときは、動画の数だけ時間もコストもかかっていましたが、社内で内製化後は、内容が異なってもフォーマットがあれば素早く量産でき、費用がかさむこともないので、担当者から非常に喜ばれました。

 外注することもありますが、その場合も「リチカ クラウドスタジオ」で制作した動画が役立つ機会が増えているそうです。

 「こんなイメージで作って欲しい」と伝える絵コンテ代わりのイメージですね。それをつくるのが結構な作業だったそうですが、簡単に制作できるようになり、業務を進めやすくなったとの声を聞いています。

 あとは、PDCAの回し方も以前とは随分変わりました。これもリチカ様から教えていただいたやり方ですが、メッセージの文言を変更したパターンをいくつか作ったり、ある程度勝ちパターンが決まってきたら色味を変えたりと、少しずつポイントを絞ってPDCAを回していく方法が非常に合っていると思っています。

上野:私自身で「AIBAC」のフォーマットに沿って愚直に動画を制作したところ、CPAが4分の1程度になった例がありました。顧客のデータ利活用ですでにある程度CPAが下がっていたにもかかわらず、さらに下がったので大変驚きましたし、まだ数本しか制作経験がない上での成果だったのでその点も合わせて驚かされました。

動画を活用した、新しいビジネスアイデアの実現を目指す

――ちなみに動画の制作本数は、導入前と導入後でどのぐらい差がつきましたか。

上野:正式にリリースしていないものを含めると、月4本ぐらいだったのが月50本ぐらいまで制作できるようになりました。「動画1本を5分で作れます」というメンバーも出てきました。今後RICHKAを利用できるメンバーが増えることで、まだまだ制作を増やせるようになっていけると思います。

――動画のインハウス化を進めていく中で、新たに気づいた課題や問題点はありますか。

上野:今まで外注文化だったこともあって、各事業の現場の担当者たちが内製して使ってみるまでのハードルは想像以上に高かったと感じています。

 しかし、その一歩を踏み出してすでに内製に取り組んでいる事業部では、アイデアがどんどん生まれてきて、リテラシーも急速に高まっています。サポート部門として、「現場の事業担当者との二人三脚」を組める体制作りというのは、これからの課題だと考えています。

――最後に今後の展望について、現在のお考えをお話しください。

上野:社内で動画制作に対するリテラシーが高まってくると、動画を使って「もっとこんなこともできるんじゃないか」という話が出てくるようになります。

 動画広告の枠を超え、お客様とのコミュニケーションにて動画を活用することでより深い顧客体験を届けるアイデアなどが挙がっています。まだアイデアベースですが、事業部から新しい発想が生まれるような望ましい状態ができつつあるので、今後はその雰囲気は大事に維持しつつ、1つひとつのアイデアを実現していく手助けをしていきたいと考えています。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/07/08 11:00 https://markezine.jp/article/detail/36310

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