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顧客起点のビジネスはどう実施する?インバウンドの思想を取り入れた成功事例(AD)

HubSpotブログ編集長に聞く、BtoBのオウンドメディアで追うべきKPIとトピック選定3つの条件

 製品・サービスの購入時に「Web上で情報収集を行う」ことが当たり前となった今、企業がオウンドメディア等に自社ビジネスに関わるコンテンツを掲載し、見込み客との接点創出を狙うのは、一般的な戦略となっている。しかし、リード創出のみをメイン目的とした“企業本位な発信”を続けていると「見込み客や顧客からの信頼が薄れ、却ってビジネスにマイナスの影響を与える」と警鐘を鳴らすのは、インバウンドマーケティングを提唱したことでも知られているHubSpot社だ。HubSpot 日本語ブログの編集長を務める水落氏に、同社がコンテンツ発信において重視している視点、そして成果に結びつくトピック選定のノウハウを尋ねた。

“リード創出のみ”をメインの目的にしない。HubSpotがブログで目指す理想

――現在、水落さんが編集長を務めている「HubSpot 日本語ブログ」は、HubSpotのマーケティングにおいてどのような立ち位置にあるのでしょうか。オウンドメディアとしてのミッションを教えてください。

水落:「HubSpot 日本語ブログ」は、HubSpotの会社としてのミッションに貢献することを大きな目的として運営しています。

 HubSpotのミッションは、ビジネス成長を目指す人たちを支援する存在になること。そのミッションを達成するひとつの方法として、ブログでは主にHubSpotが提唱するインバウンドの思想(※1)や、これまでに実践して成功してきた手法などをベースに、ビジネスに役立つ有益なコンテンツの提供を行っています。

(※1)インバウンドの思想:相手から価値を受けとる前に、先にこちらから価値を提供し、良好な関係を構築することを目指す思想。

HubSpot 日本語ブログ編集長 水落 絵理香氏/HubSpot 日本語ブログ編集長。CMS制作会社の営業、マーケティングメディアのライター・編集を経て独立。2年間フリーランスとして活動した後、2020年1月にHubSpotに入社。
HubSpot 日本語ブログ編集長 水落 絵理香氏
CMS制作会社の営業、マーケティングメディアのライター・編集を経て独立。2年間フリーランスとして活動した後、2020年1月にHubSpotに入社。

――ミッションに対して、どのようなメディア戦略を立てられているのでしょうか?

水落:HubSpotが提唱している「トピッククラスターモデル」に基づき、SEOを意識したコンテンツづくりを行っています。なぜSEOなのかというと、ビジネスに関する悩みを持つ方の多くは、検索エンジンを使って解決策を探しているからです。もちろんSNSなど他のチャネルで接点を持つことも重要です。ただ、切実に課題解決策を探されている方が一番多いのは検索エンジンなので、重視するべきだと判断しています。

 BtoB企業のオウンドメディアは、リードの創出がKPIとなったり、むしろリードのためにオウンドメディアを立ち上げるところも多いですよね。でも、HubSpotでは、必ずしもリードの創出数をメインの目的には置いていないんです。

オウンドメディアは大切なブランド接点のひとつ

――おっしゃるとおり、BtoB企業のオウンドメディアではリード創出数が大きな視標となっていると思いますが、それを先行させない理由はなんでしょうか?

水落:リード創出とは結局のところ、リードとしてカウントされる「個人情報」を入力してもらえるかどうか、ですよね。相手から情報を引き出すことばかりに意識が向くと、結果的にメディアとしては縮小していくと思います。「ここのメディア、やたらと資料ダウンロードを促してくるな」「メルマガ登録への導線が多すぎるな」という印象を持たれてしまうと、自然と読者は離れていきますよね。

 そうではなく、相手の課題に応えるコンテンツを提供し、彼らのほうから関心を持ってもらい、接点を持ちたいと思ってもらえるブログを目指す。そうした「インバウンド」な思想でコンテンツ戦略を進めていくと、結果として新規のユーザーと接点を持てる機会が増えることを実感しています。

 また、リード創出だけを狙った施策を実施しないのはブログに限った話ではなく、HubSpotではオンラインイベント、広告配信、メディアリレーションズ施策に至るまで、すべてインバウンドの思想に基づいた発信を徹底しています。それが自社のブランディングにもつながるとわかっているからです。

――なぜブランディングにつながるのか、もう少し詳しく教えていただけますか。

水落:ブランディングとは、詰まるところ企業として顧客に提示した約束事をどの接点でも守り続けることだと思います。HubSpotは、カルチャーコードとして「Solve for the customer」を掲げており、「HubSpotの全社員が、顧客の利益を最優先に考えること」を理想とし、企業として守るべき約束事だと考えています。その中でブログが果たすべき役割が、ビジネスに関する課題を持たれている方に、有益なコンテンツやソリューションを提供することなのです。

 約束事を守り続けると、「HubSpotはいつも役立つコンテンツを提供している」「HubSpotには自分の課題を解決できる情報がありそうだ」という印象を持ってもらえる。そのような方を一人でも増やしていければ、HubSpotのブランド価値の向上に貢献できると考えています。

 HubSpotとしては、リード創出のみを目的とした施策、つまり相手から情報を引き出すことだけを考える施策は「アウトバウンド」だと捉えています。アウトバウンドな施策に手を出した瞬間、相手に戸惑いを与え、ブランドが毀損してしまう可能性があります。ですので、「アウトバウンドな施策になっていないか」を常に社内で丁寧に議論しています。

――年々、製品・サービスを選択する理由としてブランドが大事な要素になっていて、ビジネスにも直結する時代がきていると感じています。

水落:そうですね。特に以前と比べSNSなどでBtoBブランドに対する声を拾えるようになったので、たとえ小さな顧客接点であってもそこでマイナスな印象を与えてしまうと、その積み重ねで悪いブランドイメージがつき、選択肢から外されている場合があります。

 「手当たり次第にメールが送られてくる」「一人の営業担当者がしつこく電話してくる」「サポートの対応が冷ややかで要領を得なかった」など、企業側からすると小さな接点だとしても、顧客からするとそれが企業全体に対する印象となります。ちょっとした対応で企業へのイメージがガラッと変わったことは誰でも一度はありますよね。

 だからこそ、相手の興味関心を引き寄せるようなインバウンドな思想に基づいた施策を実施し、まずは価値を感じてもらうことに徹するべきと私たちは考えています。

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価値提供に重きを置いた結果、トラフィックやリード数も倍増

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/06/24 10:00 https://markezine.jp/article/detail/36529

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