年間100社以上の導入を手掛ける、グローバル2位の導入支援担当者
MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに、自己紹介をお願いします。
三瀬:HubSpot Japanで2018年より導入支援を担当し、現在導入支援チームのチームリードを務めています。
HubSpotでは、導入支援とカスタマーサクセスでチームを分けて、日々お客様のサポートに当たっています。日本企業でこのようなチーム体制を組んでいるところは少なく、カスタマーサクセスが導入支援も受け持っていることが多いのではないでしょうか。
実はHubSpotも、過去にカスタマーサクセスが導入支援を行っていたことがあります。しかし、スムーズな導入を目指す導入支援と、継続して利用していただくことを目指すカスタマーサクセスとでは、ゴールや見るべき指標が異なります。そこで、HubSpotではチームを分け、導入支援チームが最初の3ヵ月間でツールの定着をサポートし、その後はカスタマーサクセスのチームが継続的な支援を行うという体制を取っています。「いかにツールを継続して利用してもらうか」ではなく、純粋にお客様のゴールに即した適切な活用に向き合えるので、カスタマーサクセスとはまた違ったやりがいがあると感じています。
MZ:三瀬さんは、これまでに600件以上の導入支援を手掛け、グローバルで2位の成績を出していらっしゃると伺いました。導入支援において、大切にされていることは何ですか?
三瀬:3ヵ月間の導入支援では、お客様が自分たちで運用できる状態まで持っていくことを目指します。そのために大事にしているポイントは、お客様が掲げられている目標のうち達成できそうなものをまず1つ実現していただくことです。導入当初はどうしても小難しいイメージがあるかもしれませんが、成功体験が1つでも出てくると雰囲気がガラッと変わり、お客様自ら積極的に活用を拡大されていきます。
導入支援のプロが実践する、CRM・MA導入の3ステップ
MZ:ここからMAとCRMの導入を成功に導く秘訣を伺っていきます。三瀬さんが、どのように導入支援をされているのか、実際の流れを教えて下さい。
三瀬:はい。HubSpotでは、「1.ゴールのヒアリング」「2.ペルソナの設定」「3.カスタマージャーニーマップに沿った施策の実践」の3ステップで導入を進めています。それぞれ順を追って説明していきましょう。
最初の「ゴールのヒアリング」のフェーズでは、HubSpotが提唱する「SMARTの法則」を用います。はじめの段階で、そもそも目標(ゴール)が適切であるか、いつまでに・何を・どのように達成していくのか、人や予算のリソースは十分かなど細かくチェックし、お客様とゴールについて認識をしっかり共有します。
お客様の中には、ツールに対して「何でもできる魔法のようなもの」といったイメージを持たれている方も時々いらっしゃいますが、ツールは使って初めて成果が出るものです。目標達成のために、お客様自身でどのような取り組みをする必要があるのかを明確にするためにも、このステップは重要です。
SMARTの法則:実現的かつ効果的なゴール設定に必要な5つのポイント
1.Specific(具体的に):目標値や期限を明確に定める。
2.Measurable(測定可能な):追跡可能な目標を設定する。
3.Attainable(達成可能な):挑戦しがいがありながらも達成可能な目標にする。
4.Relevant(経営目標との適合性):ビジネスに直結する目標を設定する。
5.Time-bound(期限がある):いつまでに目標を達成するか、期限を定める。
HubSpotが提供する「CRM・MA導入のチェックリスト」。導入前に確認しておきたい細かいポイントまで網羅しています。ぜひ、日々の業務の参考にしてください。