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イベントレポート

デジタル時代にも近道はない。YOASOBI、少年ジャンプ+の仕掛け人が語るヒットの裏側

 ヤプリは、6月16日~21日の5日間、代官山T-SITEにて「UPDATE2021」を開催した。「繋いだ瞬間、はじまる」のテーマが掲げられた同イベントでは、デジタルテクノロジーを活用した一歩先のショッピングを体験できるコーナーの横で、総勢19名によるトークライブを実施。ヤプリ マーケティング本部 マネージャーの島袋氏をモデレーターに、様々な業界で活躍しているゲストらとのクロストークが繰り広げられた。本稿では、その中から「YOASOBI」と「少年ジャンプ+」を手掛けている3人を招いたセッションをレポートする。

YOASOBIと少年ジャンプ+、話題のエンタメの仕掛け人たち

島袋:このセッションでは、広く人気を集めている「YOASOBI(ヨアソビ)」と「少年ジャンプ+」の仕掛け人に、ヒットの裏側にあるエッセンスを聞いていきたいと思います。はじめに、みなさん自己紹介をお願いできますか?

屋代:ソニー・ミュージックエンタテインメントの屋代です。私は、2017年に立ち上げた小説の投稿サイト「monogatary.com」の運営とYOASOBIのプロジェクトに携わっています。

山本:同じくソニー・ミュージックエンタテインメントの山本です。私はYOASOBIのプロジェクトを担当しているほか、いろいろなアーティストの宣伝・制作業務にも携わっています。

(左)株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント デジタルコンテンツ部 GSチーム チーフ RED エージェント部 経営企画グループ 経営推進チーム 屋代陽平氏(右)同社 第3レーベルグループ EPICレコードジャパン 第二制作部 兼 マネジメント部 マネジメント課 山本秀哉氏
(左)株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント デジタルコンテンツ本部 GSチーム チーフ RED エージェント部 経営企画グループ 経営推進チーム 屋代陽平氏
(右)同社 第3レーベルグループ EPICレコードジャパン 第二制作部 兼 マネジメント部 マネジメント課 山本秀哉氏
YOASOBIについて

 小説投稿サイト「monogatary.com」は、毎日出されるお題に対し、ユーザーが自由に物語を投稿できるストーリーエンターテインメントプラットフォーム。ユーザー同士で投稿された物語にコメントしたり、挿絵をつけたりと、物語を通じてコミュニケーションできるコミュニティとしての側面もある。

 monogatary.comで2019年に開催されたコンテスト『モノコン2019』から誕生したのが、音楽ユニットの「YOASOBI」。『モノコン2019』で大賞を取った物語を原作に制作されたYOASOBIのデビュー曲『夜に駆ける』は、Billboard JAPAN総合楽曲チャート“HOT100”で2020年の年間1位を獲得。第71回NHK紅白歌合戦への出場も果たした。その後も勢いはとどまることなく、Billboard Japanアーティスト総合ランキング“TOP Artists”で2021年上半期ランキング1位を制している。

細野:集英社の細野です。私は漫画アプリ「少年ジャンプ+」の立ち上げから携わっており、現在は編集長を務めています。

株式会社集英社 少年ジャンプ+編集長 細野修平氏
株式会社集英社 少年ジャンプ+編集長 細野修平氏
「少年ジャンプ+」について

 2014年から集英社が提供しているWeb版の漫画連載誌。60を超えるオリジナル連載作品があり、毎日深夜0時に更新される。オリジナル連載作品は、アプリダウンロード後、初回は最新話まで全話無料で読むことができる。

 アプリのダウンロード数は1,700万を突破しており(2021年6月時点)、MAUは390万人、WAUは280万人に上る。オリジナルの作品の掲載に注力しており、「少年ジャンプ+」で生まれた漫画『SPY×FAMILY』は、現在発売されている7巻までで累計発行部数1,100万部越え、『怪獣8号』は3巻で300万部越えのヒット作品となっている(2021年6月時点)。

島袋:では、さっそく1つ目のテーマ「生活者の変化」に入っていきます。みなさんエンターテインメントを届ける中で、生活者の変化には敏感にアンテナを張っているかと思いますが、この1~2年で感じられている変化はなにかありますか?

細野:我々にとってはよい変化だったのですが、書店に行く習慣が少し復活してきたのかな、という風に感じています。コロナ禍でのステイホームの影響か、『鬼滅の刃』のヒットの影響かはわかりませんが、書店に行って紙の本や漫画を買うなど、エンタメの幅がリアルに戻ってきたのかなと思っています。

屋代:細野さんのコメントに共感する部分があって、私も物理的にモノを買うことへの価値観が変わり、より大事にされる方が増えたという印象があります。スマートフォンを見ている時間が増えていることは、YOASOBIのプロジェクトの動きから感じていますが、一方でリアルでライブをすることが難しい状況下もあり、相対的にモノ自体の価値も高まってきていると感じています。実際にYOASOBIでCDを制作する時は、手に取って楽しい作りにするようにしていて、そうした工夫が受け入れられているという実感があります。

山本:コロナ禍の影響で、受け手側のインフラが整ってきたという変化もありましたね。ライブ配信やストリーミングでエンタメを届ける際の受け手側の土台が整ってきたので、我々としても表現の幅が広がりました。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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2021/07/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/36641

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