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開始半年で登録者数10万人突破!ひふみ投信から学ぶYouTubeの活用戦略とは

目指すは、金融について主体的に考えたくなるチャンネル

――実際にどのようにプロジェクトが進んでいったのか、ご説明ください。

竹谷:まずは、投資に興味をもってもらう動画づくりからスタートしました。内容については髙瀬様に相談し、いくつか提案いただいた企画の中から、レオスの方々とディスカッションして選んでいきました。

株式会社Gunosy<br />代表取締役社長 竹谷祐哉氏
株式会社Gunosy
代表取締役社長 竹谷祐哉氏

深澤:我々がコンセプトに掲げたのは、“見ている人が自分自身で人生をデザインできるような投資家を増やす”チャンネルです。

 お金に関するコンテンツ自体はすでにネット上に溢れていますが、動画を見てすぐに解答が提示されるのではなく、「こういう商品なら自分に向いていそうだな」と金融商品を主体的に考える人たちを増やしたいと思ったので、動画の内容もそれを意識したものになっています。

 企画や動画の収録は2020年11月頃からはじめ、動画公開は約2ヵ月後の2021年1月22日でした。

白水:私たちは金融機関には珍しく、WebサイトやSNSを使って中の人の顔を見せるスタイルを大事にしています。手触り感のない商品にお金を払うことが投資への不安要因のひとつだと思うので、ご自身がお金を託している運用者がどういう人なのか可視化することで少しでも不安を解消できたらと考えています。こうした包み隠さず発信するスタイルは、YouTubeでも引き継いでいます。

竹谷:会社として透明性を大切にされているので、チャンネルでは社長であり、プロの投資家でもある藤野様というキャラクターを中心とした構成でつくることにしました。

 動画を見てもらうための仕掛けとして、チャンネルをつくって置くだけでは視聴再生数は増えませんので、博報堂様とTrueView広告をはじめ外部媒体への広告出稿を進めていきました。

動画制作のポイントは「通訳」にあり!

――動画制作にあたりどのような点を重視されていたのでしょうか。

髙瀬:意識していたのは、どう“通訳”するかです。

 今皆さんが話されたように、レオス様、Gunosy様がもっている意志を、生活者にそのまま伝えても伝わりません。そのため両者の間に入って内容を通訳し、チューニングする役割にあると認識していました。

 コンテンツに関しては、「お金のまなびば!」は直接的に商品訴求する場でなく、動画を通して投資への意識を向上させ、最終的に信頼を築いてもらう場所です。なので信頼を与えるコンテンツ制作とその流れのデザインが肝だと考えていました。

 あとは、ストックして価値のあるものをつくらなければと思っていましたね。

株式会社ジェネレートワン<br />代表取締役/コンテンツプロデューサー 髙瀬敦也氏
株式会社ジェネレートワン
代表取締役/コンテンツプロデューサー 髙瀬敦也氏

竹谷:今回は約5億円、テレビCMも十分出稿可能な予算の大部分をYouTubeのコンテンツと広告に投資いただきました。だからこそテレビCM以上の効果が出せるように、コンテンツの質と動画が広がる仕組みを綿密に計算しています。

 YouTubeの場合、登録者数を増やしていければ自前のテレビチャンネルに近い機能をもたせることができます。そうすれば会社や商品の発信の場として重要なアセットになりますので、その分慎重にコンテンツは選定しました。

口座開設数は2020年と比べて240%の増加に

――YouTubeチャンネルの運用で得られた成果はありますか。

深澤:元々は口座開設数をどう増やすかといった広告的な思想ではじまったものです。

 そのため口座開設数も大事なKPIとして置いていたのですが、しっかりと貢献していることが数値としてわかっています。

 2021年5月の口座開設数は2020年と比べて240%ほどでした。他の施策も並行して行っているので、必ずしもYouTubeチャンネルだけの効果とは言えませんが、最大で前月比300%近い数字が出た月もあります。加えて、既存のお客様からも嬉しい声をいただいています。

 「動画を見て前よりも商品が好きになった」と言ってくださる方や、証券会社や銀行などの販売提携いただいているパートナーの方から、「良い内容なのでリンクを貼らせてほしい」と言われることもあります。質の高いコンテンツを制作いただけたことで、我々も胸を張って紹介しやすいです。

竹谷:チャンネル登録者数も順調に推移していまして、開始半年で10万人を突破しました。国内の金融系チャンネルとしては最大と言える規模になりつつあります(銀行・証券・資産運用会社公式YouTubeチャンネルのチャンネル登録者数1位:レオス・キャピタルワークス調べ、2021年5月31日時点)。

 さらに今後50、100万人へと伸ばしていければ、正しいお金のリテラシーを多くの人が身に付けられることになり、広告施策の枠にとどまらず、社会貢献の側面をもてるようになるでしょう。

 また、「こういう動画を見たい」「この部分の内容が勉強になった」など、積極的にコメントをくださるユーザーも増え、新しいコミュニケーションの場所がつくれています。

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「金融×エンターテインメント」が織りなすユーザーフレンドリーなコンテンツ

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2021/08/06 11:00 https://markezine.jp/article/detail/36710

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