「金融×エンターテインメント」が織りなすユーザーフレンドリーなコンテンツ
――結果につながった要因は、どこにあったと考えていますか。
白水:ひとつは、意外とYouTubeの中に金融機関が提供するコンテンツが少なかったこと。特にお金でお金を増やす投資のみではなく、広義で投資を伝えているのが他社との差別ポイントになっていると思います。
もうひとつは、「金融×エンターテインメント」といった新しいジャンルの動画を開拓できたことです。金融機関の人が動画をつくると、どうしても使っている言葉も内容も難しく一部の人にしかわからない内容になってしまいがちです。先ほど通訳という言葉もありましたが、まさに生活者と金融機関をつなぐ内容が発信できているのではないかと思います。
加えて、高い運用実績を収めつつ生活者へのプレゼン力に長けた藤野のキャラクター性も最大限引き出せたことで、わかりやすく、模倣されにくいコンテンツができたと思っています。
深澤:元々、藤野をはじめ、社員一人ひとりがイベントやセミナー、動画コンテンツに出演するなど、積極的に情報発信するカルチャーが築かれていたこともここまでの成功要因として大きかったのかもしれません。
当社のメンバーは運用会社として、国内外の投資先の企業に足を運び取材をしているのですが、そうやって実際に多種多様な経営者や担当者と対話しているからこそ語れる企業や経済の話がYouTubeコンテンツに上手くはまったのだと感じています。
竹谷:投資というジャンルは難しくて疎遠なものという印象が強く、そのまま扱うとつまらない内容に終わる可能性があるところ、元々テレビ局で番組を制作されていた髙瀬様をはじめエンターテインメントを知っているチームで取り組めたことが成功につながったのではないでしょうか。
今回の予算規模でテレビを使わないというのは、マーケティング手法としても新しいものでした。テレビでしか活用されない金額で、なおかつPDCAを回して効果を見ることができるわけですから。
しかも広告だけど、邪魔に思われないユーザーフレンドリーなものに感じてもらえる。私自身、広告主の立場にもありますので「こんな広告手法が叶えられるものか」と学ばせていただきました。
髙瀬:最近自分たちのメディアをつくりたいという企業が増えている一方で、軒並み失敗していますよね。その原因は、メディア先行型のやり方にあると思っています。
本来メディアはコンテンツを積み上げていった先にしかできないものです。「コンテンツファースト」という正しい道を進めていることが、良い結果を生み出せているのだと思います。
最適なメディアミックスを実現させていく
――最後に、今後の展望や展開を教えてください。
白水:企業の成長ドライバーとしてこの施策をどう継続させるかが私自身のミッションです。せっかくここまでお客様に支持いただき、意義のあるプロジェクトができているので、外部要因や会社の業績に左右されずにこの先も続けていけるためにどうすればいいのか、その答えを見つけていきたいです。
深澤:チャンネル開設から約半年が経ち、データによる分析が可能になってきました。今後はよりストラテジックに、より最適なメディアミックスを実現させていきたいです。「お金のまなびば!」をメディアとして大きくしていければと思っています。