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N=1の声を商品開発に活かす。花王「ファンテックLab&Biz」が体験型店舗b8taに出品した理由

SNSやECのレビューでは得られないN=1の声

――取得した定量・定性データからどのような気づきがありましたか?

佐々並:まず定量データに関しては、自社で出品した2つの商品同士の比較と、b8ta全体で出品されている他の展示スペースと比較を行ったのですが、ひとつとても興味深い気付きがありました。

 今回の取り組みではb8taで展示を行い、限定販売を楽天市場で行っていました。楽天市場では、へそごま除去パック『SPOT JELLY』が完売するという結果になったのですが、実はb8taでのお客様の立ち止まり率は足用石けん『ARGINISTA』展示スペースのほうが高かったんです。これは犬ロボット「はなちゃん」を置いていたからなのではないか? と推測しているのですが、実際の販売においても体験とセットで見せていけば『ARGINISTA』の魅力がより伝わるのではないか? という気づきを得ることができました。

 次に定性データに関してですが、こちらは本当にb8taさんのお力添えがあったからですが、貴重な声をたくさん伺うことができました。特に印象的だったのは、へそごま除去パック『SPOT JELLY』へのご意見です。展示スペースで『SPOT JELLY』に非常に興味を持ってくださった方がいて、b8taの店員さんがその理由を尋ねてくださったのです。すると「実は開腹手術をしたことでおへその形が変わってしまった。だからこの商品は自分にとてもぴったりなんです」という答えが返ってきたのです。

 SNSやECの口コミでもこういったお声をいただくことはあるのですが、実際のお客様から面と向かって熱い意見をお聞かせいただけるのは、本当に貴重な点だと感じ、こうしたN=1の声を大切にしていきたいと強く思いましたね。

これからの店舗は「体験」がハブとなる

――最後に少し視点を変えて、これからの小売ビジネスについて聞いていきたいと思います。まず佐々並さん、コロナ禍で消費者接点が変化していく中で、今後メーカーとして「店舗」に求めるものを教えてください。

佐々並:今回の出品を通して感じたことは、まずb8taにはやはり情報感度の高い方々が集まっていらっしゃるということ。そして「体験」をともなう実店舗の魅力です。この「体験」という部分は、これからのメーカー、ファンテックLab&Bizとしての活動においてもハブとなる機能だと感じていますので、弊社として新しい挑戦を進めていくなかで、非常に価値のあるものだと考えています。

――ありがとうございます。続いて羽田さん、コロナ禍により、小売店は進化が求められています。b8taとしてコロナ禍で提供できる価値をどのようにお考えですか?

羽田:まずは「店舗」というリアルの場を運営していくうえで、来店者様に安心して楽しんでいただくことはマストです。現在は人数制限を行ったり、店舗内のCO2濃度を測ってコントロールしたりしているのですが、今後もこうした安全・安心のところは第一に考えていきたいと思っています。

 そのうえで、やはりせっかく来てくださった方々には、ECでは得られない価値や体験をお届けしたいと考えております。たとえば“偶然の出会い”など。b8taにはスタートアップのガジェットから大手メーカーの商品まで揃っているので、本来化粧品に興味があった方が隣にある家電やガジェットに手を触れて「こんなものがあったんだ」という気づき、時にはそのまま購入されるというケースもあります。こういった点はb8taだからこそ作れる強いタッチポイントだと考えておりますので、今後もリアルならではの訴求方法を磨いていきたいですね。

 また対メーカーさんに対しても、お返しする定量・定性データの質をもっと上げていきたいですし、佐々並さんから相談があったような“メーカーさん同士のつながり”を作れる仕組みも整えていくことで、出品企業様にとって「ハブ」となれる存在になりたいですね。

――お二人とも、本日はありがとうございました!

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/08/17 07:00 https://markezine.jp/article/detail/36788

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