OTTとCTVの定義を再確認
OTTとCTVという言葉に聞き馴染みがない方、あるいは知ってはいるけれどその違いや定義は曖昧である方が多いかもしれません。まずは、それぞれの定義を解説します。
OTT(Over The Top)とは、インターネットを通してストリーミング視聴のできる動画コンテンツのことです。この連載では、特にテレビ局などのプロが製作したプレミアムな動画コンテンツをOTT、個人が製作しYouTubeやニコニコ動画などにアップロードされた動画コンテンツをUGC(User Generated Contents)として区別します。代表的なOTTサービスとしては、NetflixやHulu、Amazonプライムビデオ、TVerなどが挙げられます。
CTV(Connected TV)とは、インターネットに接続されたテレビのことです。スマートTVやFire TV Stickなど、動画ストリーミングサービスのアプリをダウンロードして視聴できるテレビデバイスを指します。
アメリカで起きているケーブルテレビ離れとCTVの普及拡大
The Trade Deskの本社があるアメリカでは、日本よりもOTTやCTVが普及しています。アメリカはもともとケーブルテレビが発達していたこともあり、テレビがオンラインにつながっている世帯が多い一方、日本では現在も有線で受信している世帯がほとんどです。
The Trade Deskの調査レポート「The Future of TV Report June 2021」によると、アメリカのテレビ視聴者の47%はすでにコードレスで視聴しており、eMarketer社によると、2021年時点でケーブルテレビ加入を維持している世帯は7,800万世帯以下になっています。これは、ケーブルテレビよりもインターネットで気軽により多くのコンテンツを視聴できるようになったからで、アメリカと日本ではOTTやCTVの普及率が大きく異なるのです。
なお、まだケーブルテレビに加入している人のうち44%が、今後1年間でケーブルテレビの契約を解約または契約サービス数を減らす予定だそうです(The Trade Desk「The Future of TV Report June 2021」より)。今後もますますCTVの需要は増えていくでしょう。