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LINE広告活用術(AD)

導入後1年足らずで獲得数が38.5倍、CPAは4分の1に抑制!アルマードに学ぶLINE広告活用

 今やインターネット広告媒体費のうち全体の8割を占める運用型広告は、2020年時点で前年比109.7%に伸長するなど、メジャーな広告手法となっている(CCI/D2C/電通/電通デジタル「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」)。そうしたなかで、LINE広告をはじめとする運用型広告のインハウス化に取り組んでいるのが、自社ブランドの卵殻膜美容液『チェルラー ブリリオ』や『オーディ』『TO-Ⅱ』などを販売するアルマードだ。インハウス化への着手から1年足らずで着実な成果を上げている同社で、広告運用を担う飯田英治氏、小山友佳氏の両名に、LINE広告の活用について話をうかがった。

広告運用のインハウス化がLINE広告導入のきっかけに

——初めに、御社の事業内容とお二人の担当領域を教えていただけますか?

アルマード 飯田氏(以下、飯田):アルマードは、自社ブランドの卵殻膜美容液『チェルラー ブリリオ』や『オーディ』『TO-Ⅱ』をはじめとする、化粧品やサプリを取り扱う美容メーカーです。顧客層は40~60代の女性が多く、特に50代の方が主なユーザーとなっています。

飯田:元々はテレビショッピングなどをメインの販路としていましたが、ここ数年でEC事業にも力を入れ始めました。我々が所属するアクイジションチームは、ECにおける『チェルラーブリリオ』の新規顧客獲得をミッションとしています。2020年からはインハウスでの広告運用を本格的にスタートし、LINE広告も2020年8月から運用を開始しました。

アルマード 小山氏(以下、小山):私も飯田と同じチームに所属しています。インハウス化をする際、飯田がLINE広告の運用全般を担当し、私がクリエイティブの領域、いわゆるバナーや遷移先のLPなどの制作を行っています。

(写真左)アルマード 営業部 直販課 飯田英治氏(写真右)アルマード 営業部 直販課 小山友佳氏
(写真左)アルマード 営業部 直販課 飯田英治氏、(写真右)アルマード 営業部 直販課 小山友佳氏

——広告戦略の方針をインハウスに切り替えたのは、最近のことなのですね。

飯田:そうですね。実は私自身、インハウス化を前提として2020年6月に採用された経緯があります。それまで新規顧客の獲得は、アフィリエイト広告を主な戦略としていました。

インハウス化の狙いは広告運用の安定化

——広告運用をインハウス化された理由をお教えください。

飯田:アフィリエイトに頼った広告運用の場合、運用にかかる手数料や外部パートナーさんへ支払うマージンなども成果単価に含まれるため、どうしてもCPAが高くなりがちです。

 成果単価によってアフィリエイターさんのやる気が変わり、月ごとの獲得数に波があるため、私が入社した当時は広告運用の成果が安定しない状況が続いていました。

小山:アフィリエイト広告の運用を外部パートナーさんに依存していると、自社に広告のノウハウが溜まらないこともインハウス化に踏み切った理由の一つです。バナーや遷移先のLPに使用する素材の準備、起用するタレントの選定などをこちらで行っても、肝心の運用を外部に頼ってしまうと、広告効果を判断する基準や知識が得られない、という課題を抱えていました。

——インハウスでの運用によって、広告に関する知見を得て成果を安定させようとしたのですね。LINEも含め、実際に活用されているインターネット広告について教えていただけますか。

飯田:インハウス化にあたり、まずはリスティング広告から着手し、その後にLINE広告を含むディスプレイ系やSNS系の広告を複数同時にスタートしました。現在はリスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、ニュースメディア系のアプリ広告などを併せて利用しています。状況を見て、今後も出稿媒体は増やしていく方針です。

——出稿先の媒体を選ぶ際の基準はありますか。

飯田:スタート時点では細かい基準を設けず、まずはリーチできるユーザー数が多く、新規獲得が手堅く狙えるメジャーな媒体を選んでいます。

 なかでもLINE広告を導入した理由は、8,900万人(2021年6月末時点)という圧倒的な月間アクティブユーザー数を抱え、ユーザーの年齢層も幅広いことから、年齢層の高い当社の顧客層へも間違いなくリーチできるメディアだと考えたためです。

 加えて、コミュニケーションアプリでありながら、LINE NEWSはニュースメディアとしての特色も兼ね備えているため、LINE広告をうまく運用してノウハウを蓄積できれば、他媒体への展開もしやすいのではと考えました。

コンバージョンに至る途中経過の分析が運用改善のポイント

——LINE広告の具体的な活用について教えていただけますか。

飯田:入札は基本的にすべて自動入札で行っているため、我々はクリエイティブの制作や検証に集中できています

 配信には主に「類似配信」を活用しています。LINEは他媒体と比較してもユーザー数が多いため、類似条件をある程度絞ってもオーディエンスの母数を担保しやすく、我々のターゲット層にもリーチする精度が高い点で優れています。

【クリック/タップで拡大】類似配信では、既に作成したオーディエンスと似ているユーザーを探し、オーディエンスサイズを拡張できる。類似度は1〜15%、または自動で設定可能

【クリック/タップで拡大】

類似配信では、既に作成したオーディエンスと似ているユーザーを探し、オーディエンスサイズを拡張できる。類似度は1〜15%、または自動で設定可能

——御社で蓄積された顧客データを用いて、類似配信を活用されているのですか?

飯田:いえ、社内での対応が難しい部分があり、現状は自社データの外部活用をしていません。そのため、LINE Tagを用いて商品を購入したユーザーのオーディエンスデータを作成し、それに類似するユーザーに広告を配信しています。

 多くの媒体では、広告のクリックからコンバージョンまでの経過を、1ヵ所しか追えません。その点、LINE広告の場合はいくつもLINE Tagを発行できるため、購入に至るまでの細かい途中経過を段階的に追うことが可能です。

 たとえば、同じデザインに異なるテキストを載せた、複数のバナーを用意して配信したとします。

 タグが複数設定できれば、たとえ購入されなくても「バナーAはCTR自体が低い」「バナーBは遷移後のLPから購入フォームへの流入数が減少した」「バナーCは購入フォームまで到達したユーザーが多かった」など、それぞれに異なる改善ポイントが見つかります。そのため、クリエイティブやLPの良し悪しについて精査がしやすく、次につなげやすい点がメリットです。

——御社の広告から購入までの基本的な導線としては、バナーからLPへ遷移して、その後商品ページで注文、という流れでしょうか。

飯田:そうですね。初めて広告で接触したユーザーに対しては、記事形式で商品を紹介するLPに遷移するように設計しています。既に商品サイトを閲覧したことがあるユーザーへリターゲティングする場合は、新規ユーザーとは異なるアンケートページに遷移させています。

 化粧品は競合が多い業界です。そのなかから当社の製品を購入していただくには、その特長や、他社製品との違いについてしっかりと訴求する必要があります。そのため、広告からいきなり購入ページへ遷移させるのではなく、記事やアンケートに遷移させて製品の内容に触れていただくことで、当社製品への理解を深めていただきたいと考えています。

ブランドの世界観を崩さずに訴求力を高める

——クリエイティブを制作する上での工夫やポイントについてお教えいただけますか。

小山:LINEに限らずどの媒体にも共通しますが、媒体特性は常に意識しています。具体的には、媒体のデザインや色との相性、視認性などです。

 ユーザーの年齢層なども関係するため一概には言えませんが、LINE広告の場合は、昔ながらの通販にありがちな派手なデザインを用いてお得感を醸成するよりも、キレイめでLINEのUIに馴染むデザインのクリエイティブのほうが、効果が出やすい傾向があります

——実際に成果の出たバナーにはどんなものがありますか。

飯田:出稿して初めに反応が良かったのは、女性芸能人を起用したバナーの中のひとつでした。インハウスでの運用を始めて3ヵ月目、まだどの媒体でも成果が上がっていない状況でしたが、芸能人を起用したバナーをLINE広告で配信すると、特定のバナーだけCTRが急に上昇したのです。

 バナーに合わせてテキストや遷移先のLPも「芸能人〇〇が使っている商品を詳しく調べてみた」など、一貫性のある訴求に変更すると、コンバージョン数も増加しました。このときの成功例を、他媒体でも展開していきました。

 最近では、LINEのトーク一覧の最上部にある配信面「トークリスト」に合わせて作成した、シンプルな文字を軸にしたバナーでも成果が出ています。

文字でメッセージを伝えるシンプルなバナー
文字でメッセージを伝えるシンプルなバナー。青(右)より紫(左)のほうが、効果が良い

小山:文字のみで訴求したバナーでも、LINE広告の場合は「背景色は黄色より白がいい」「文字は青よりも紫が良い」など、少しの違いで反応が大きく変わります。クリエイティブの細かい変更と検証を繰り返し、ブランドの世界観を崩さないまま、いかにそれぞれの媒体のなかで訴求力を高めるかを試行錯誤しています。

獲得数は38.5倍にアップ、CPAは4分の1に抑制

——LINE広告を運用して得られた成果について、具体的にお聞かせいただけますか。

飯田:運用開始から1ヵ月経った2020年9月と、一番成果の出た2021年4月を比較すると、獲得数は38.5倍になっています。女性芸能人の起用で最初の成果が出た2020年10月と比較しても、4.5倍は獲得数が伸びている状況です。一方で、CPAは4分の1程度に抑えられています。

 媒体に限らず最初に効果が出るまでは苦労しますが、特にLINE広告は配信効果の高いバナーを一度見つけると、その後の獲得効率が安定しやすいと思います。

動画広告とCRMでの活用が、今後のLINE運用の鍵

——今後、マーケティング戦略においてチャレンジしたいことはありますか。そのなかで、LINEのサービスをどのように活用していきたいか、ご教示ください。

飯田:広告自体の戦略としては、動画広告の活用を進めたいと考えています。

 動画広告の活用については、まだ模索している段階です。他媒体で利用した動画をLINE広告で横展開したことがあるのですが、当時はあまり成果が出ませんでした。今度はLINE広告に最適化した動画広告を作成して試してみたいですね。

 広告以外では、CRM目的でLINE公式アカウントの活用についても検討しています。「メールはあまり見ない」と聞くことが増える中で、LINE公式アカウントの活用は必須になるのではないかと感じています。

 LINE公式アカウントの活用で得られるLTVや継続率の向上は、他社様の声としても聞こえてきているので、是非チャレンジしたいです。

——LINE広告の活用によるCPAの改善や顧客獲得数の向上のため、読者の方へ向けたアドバイスなどあれば教えてください。

飯田:「LINEさんのアドバイスは聞いたほうがいい」ですかね(笑)。

 先ほど、「トークリスト」を活用して獲得数が向上したお話をしましたが、実は当初、「トークリスト」向けのクリエイティブは作っていませんでした。LINEのサポート担当の方からアドバイスをいただいて、そこからうまく成果につなげられた良い例です。

 自分たちの理論に沿った試行錯誤はもちろん必要ですが、LINEさんが推奨する配信機能や活用方法は一度試してみると、成果の向上や改善が得られやすいのではないでしょうか。

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 運用型広告であるLINE広告で成果を出すには、正しい初期設計と継続的な運用・改善が必要となります。「90日間スタートダッシュサポート」は、その運用ノウハウを自社で蓄積いただくためのサポートを、LINEの運用コンサルタントが無料で行うサービスです。

※本記事で紹介した活用例はあくまで事例であり、審査通過の保証をするものではありません。

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この記事の著者

坂本 陽平(サカモト ヨウヘイ)

理系ライター、インタビュアー。分析機器メーカー、国際物流、商社勤務を経てフリーランスに。ビジネス領域での実務経験を活かし、サイエンス、ODA、人事、転職、海外文化などのジャンルを中心に執筆活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/10/29 12:00 https://markezine.jp/article/detail/37290