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なぜ支持される?ABEMA、Schick、MERYの戦略からZ世代女子のインサイトに迫る

押し付けを嫌う世代へのアプローチ方法は?

 さらにZ世代女子の特徴についての考察は進む。若村氏から挙がったのは、「押し付けを嫌う世代である」という特徴だ。

 「Z世代は、基本的に押し付けを嫌う世代だと思っています。こうあるべきだ! などの固定概念を、特に大人から押し付けられることに敏感です。企業のPRにもすぐに気づき、“押し付け”を感じた瞬間、一気にすっと身を引いてしまいます。ここがビジネスでZ世代をターゲットにする時に一番難しいところです」(若村氏)

 こうした特徴を踏まえ、若村氏はマーケティング施策を考える際、キャンペーンなどの企画自体がZ世代の日常に溶け込むように意識しているそうだ。そのためには、Z世代の中から日々生まれている現象をしっかりと捉えること企業発ではなくZ世代発の話題となるようコミュニケーションを展開していくことが重要になる。

 若村氏の話を受け、木綿氏は「共感の嵐です!」とし、次のように話した。

 「MERYでもコミュニティで企業様とお取り組みをすることがありますが、我々の場合は逆に全部話すようにしています。この商品を世の中にこういう風に届けていきたいから、共感してくれるメンバー募集! というように、協力・応援してもらえるように巻き込んでいくコミュニケーションに挑戦中です」(木綿氏)

ヒットの発信源を作った3つの事例

 続いて、Z世代のインサイトを踏まえたアプローチ方法にテーマを変え、議論は進んだ。まず若村氏より、次の3つの事例が共有された。

 1つ目は、Z世代の中から話題を生み出した事例。ここでは、「誰が」「いかにその人らしく」「その人が活きるプラットフォームで発信するか」が肝になる。インフルエンサーの起用とSNSの選び方が重要なのだ。

 たとえば、恋愛番組『恋とオオカミには騙されない』のプロモーションでは、番組出演者である人気TikTokerなえなのが、TikTokでダンス動画「オオカミ恋ダンス」を投稿。これを発信源とし、番組を見てもらうきっかけを作った。動画の再生回数は1,489,000回に上り、話題創出の大きなカギとなった

 2つ目は、結婚モキュメンタリー番組『私たち結婚しました』で仕掛けた、Instagramを用いたプロモーション。リアリティとバラエティの境目を楽しむという、これまでにない斬新な切り口で芸能人夫婦の結婚生活を描く同番組では、プロモーション用に夫婦のInstagramアカウントを開設。番組の内容と連動させる形でInstagramを運用した。妻と夫がお互いの投稿にコメントする掛け合い、投稿する時間帯やタイミングなどを細かく設計し、リアルな雰囲気を醸成したという。

 「番組では映っていないオフショットをアップするなど、番組とInstagramの両方を見ることで、番組をより楽しめるようにしました。番組プロモーション用のInstagramアカウントにはフォロワーがなかなかつきづらいのですが、1ヵ月で3.8万人のフォロワーを獲得し、ファンを創造することができたので、良い事例だったと思います」(若村氏)

 最後に3つ目は、「推しの文化」を用いた事例だ。『今日好き』などの番組から生まれた、「特定のカップルの恋愛が成就するよう応援する」という「カップル推し」がZ世代の中で文化として定着してきている。これを起点にさらに視聴者を巻き込むために、カップルに名前をつける総選挙を開催するなど、視聴者が参加できる場を設けているという。

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Z世代の選ぶ場所に、企業側が行って寄り添う

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/10/18 08:00 https://markezine.jp/article/detail/37421

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