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電通グループのデジタル領域3社が描く、DXの最前線(PR)

“顧客との一期一会”脱するには?電通デジタルが語る「Interaction Studio」活用

 コロナ禍によるデジタルシフトや新しい価値観を持つZ世代の登場などによって顧客の心理や行動はより複雑になってきている。Interaction Studioでは、これまで分断されていたデータを連携することによって、リアルタイムに顧客の心理を把握し、パーソナライズしてコミュニケーションすることができるという。同製品を提供するセールスフォース・ドットコムの松本英人氏、導入支援を手がける電通デジタルの西田健太朗氏に、顧客体験をどう変えられるのかをうかがった。

データ活用に見える「2つの課題」

——昨今ではマーケティング・オートメーション(以下MA)が普及し、属性データを使ったレコメンドも一般化しつつありますが、一方で従来の施策に限界を感じる声も多くあります。現状のデータ活用にはどのような課題があるのでしょうか。

西田:まず1つ目の課題として、ツール間で使うデータが縦割りになっているケースが挙げられます。

電通デジタル データ/テクノロジーソリューション部門 CRMソリューション事業部打第4グループ 西田健太朗
電通デジタル データ/テクノロジーソリューション部門 CRMソリューション事業部 第4グループ 西田健太朗氏

西田:たとえばMAを使った施策であれば、メールの開封やリンクのクリックといった行動データを基に施策が行われてきました。またレコメンドエンジンでは、男女や年齢などの属性データに応じて情報を出し分けるということが行われています。しかし、そうした行動データや属性データを連携して活用するということはあまりされていませんでした。

 2つ目の課題としては、データの中でもまだまだ活用しきれていないデータがあるという点が挙げられます。年代や性別といったデモグラ的なデータの活用は一般化しているものの、たとえばアパレルのサイトで「このユーザーはこの服を買いました」という過去の購買情報は持っているにも関わらず、そこに基づくユーザーの傾向まで捉えて活用し、施策に落とし込めている例は少ないのではないかと思います。

 顧客を理解するためには、こうした行動データと属性データを掛け合わせて、横串を通して見ていく必要があります

提供すべき顧客体験からコミュニケーションを逆算

——それらの課題を踏まえ、貴社ではデータ活用や顧客とのコミュニケーションにおいて何が重要だとお考えでしょうか。

西田:まずデータ活用をしてマーケティングを行う上での大前提として、顧客体験を起点に考えるということが重要です。

西田:つまり事業者に求められるのは、顧客がどのような体験を望んでいるのかというところから逆引きし、そのためにはどのようなシステムやデータが必要となるのかを整理して、顧客との理想的なコミュニケーションとは何かを実現可能性・妥当性を持った上で導き出すことです。

 データ活用には4ステップが必要で、1つ目のステップはデータがきちんと溜まる基盤を構築すること、言うなれば“溜まる化”です。そして2つ目が、それらのデータを“見える化”すること。どこに何のデータがあるかをマーケティング担当者が見えていないと、施策へ落とし込むステップが踏めません。

 3つ目は、“わかる化”。目的に向けて、どういう施策に落とし込むべきかをしっかり担当者がわかっていることが大切です。そして4つ目が“できる化”。MAやレコメンドエンジンなど横串を通して活用し、チャネルを跨いだ連続性・リアルタイム性のあるコミュニケーションにデータを活かせるようにします。

——そうしたデータ活用のためには、当然ツールも重要になりますよね。

西田:はい、顧客に関するデータを一気通貫してつなげる仕組みが必要となります。先述した行動データや属性データなどがそれぞれバラバラのソリューションで取得されているとそれらを連携して活用する難易度は高くなるため、プラットフォームを揃えることが望ましいです。

 Interaction Studioをはじめとした、セールスフォース・ドットコムさんが提供する製品で統一すれば、そうしたデータの集約、連携が可能になります。

行動の「文脈」を捉えたパーソナライズが体験を底上げ

——「Interaction Studio」とはどういったものでしょうか。

松本:顧客一人ひとりをきちんと理解し、パーソナライズした体験を届けることを実現するツールです。

セールスフォース・ドットコム 戦略ソリューション部 Audience Studio + Data Studio担当 松本英人氏
セールスフォース・ドットコム 戦略ソリューション部 Interaction Studio担当 松本英人氏

松本:弊社が毎年調査・発表しているマーケティングレポートで、65%の消費者が自分を理解してくれていると感じていない企業に対してブランドスイッチをしてしまい、91%の消費者が素晴らしいサービス体験をしたと思う企業に対しては購買や利用を継続するという調査結果が得られました(出典:セールスフォース・ドットコム「コネクテッドカスタマーの最新事情(第4版)」2020年10月)。

 また、コロナ禍で消費者の生活様式が大きく変わり、企業への顧客理解の期待値はますます高まってきています。企業にとっては、デジタル接点とリアル接点の双方をつなげて消費者の今の心理を捉え、パーソナライズした体験を提供することが急務になっていると言えます。

——このInteraction Studioは、一般的なMAとはどのような違いがあり、何を実現できるのでしょうか。

松本:Marketing Cloudで実施している施策をさらに強化する役割を担っています。顧客の今を理解し、リアルタイムでパーソナライズしてターゲットに向けたシナリオを作成し、瞬時にさまざまなチャネルでメッセージを届けることができます。

 リアルタイム性に関しては、顧客の行動や属性を踏まえた上で、ミリ秒単位の高速処理を行ってMAのシナリオに情報を連携し、メールやSNS、LINEなどクロスチャネルのデジタル接点を横断的にカバーします。

——機能面ではどのような強みを持ちますか。

松本:データ統合に関しては、たとえば「Webサイトを訪問した」「アプリを起動した」「店舗でチェックインした」といったそれぞれのアクションをクロスデバイスで瞬時にIDで統合する機能があります。この情報から、時系列で顧客の傾向分析、今の目的や興味をきちんと捉えて高速処理を行います。

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松本:また、SQLを書く必要がないため、マーケターが管理画面上でとても簡便にセグメントを作成できます。作成条件の行動データは「特定のWebページを見た」「サイトを閉じた」といった表層的なものだけでなく、その人が見ているコンテンツや商品に意味づけされたメタ情報を取得することで顧客の心理を理解し、それに基づいてセグメンテーションを行えるのが大きなポイントです。

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松本:このように、顧客の今の目的や興味を踏まえた上で、その人に寄り添ったメッセージを瞬時に出し、Webの接客やレコメンデーションでパーソナライズを実現するという機能をセットで提供しています。

チャネル横断の顧客理解で「脱・一期一会」を実現

——Interaction Studioの導入により、具体的にどのような施策が可能になるのでしょうか。

西田:今まさに構築している金融系企業の施策では、セールスフォースの製品群の中からInteraction StudioとMarketing Cloud、Service Cloudを組み合わせることで、一期一会にしない顧客体験の提供を行っています。

 従来は、コンタクトセンターに電話をしてきた顧客に回答し、その履歴をCRMに残していましたが、それらのデータは活用しておらず、顧客とのやりとりは一期一会で終わっていました。デジタル上では、メールを送信したら開封・未開封かによって再送するなどの施策は行ってきましたが、コンタクトセンターに電話をしてきた人のデジタルでのリアクションを紐づけるということはしてきませんでした。

 それをInteraction StudioとService Cloudなどを組み合わせて施策を設計していくと、たとえば「メールを開封し金融商材に興味を持ち、電話をかけて問い合わせた」という顧客の行動や心理がつながって見えてきて、それにより顧客の悩みや求めることの解像度が上がってきます。そして、たとえば問い合わせから1週間経ってもまだその金融商材を買っていない場合にはメールなどでオススメの金融商品を提案するといったコミュニケーションをすることが可能になります。

手遅れになる前に「解約の検討が疑われる行動」を捉える

——なるほど。他にどのような場面での活用がありますか。

西田:保険会社などでの解約防止といった施策にも活用されています。たとえば解約ページに訪れたユーザーは既に解約を決心している場合が少なくありません。そこからコミュニケーションをしても遅いので、既に契約しているのに料金シミュレーションをしているなど、解約を検討しているのではないかと疑われる行動をリアルタイムに捉え、手遅れにならないよう瞬時にメールやアプリなどでプッシュを出します

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——こうした施策を実現するためには、製品の導入と合わせて、使う側の組織のあり方も変わってくるかと思います。どのような体制が必要となるでしょうか?

西田:これまでお話してきたように、データを連携させるソリューションはもうできています。それらを導入するにあたり、社内の組織や文化、事業部側のリソースといった面の課題が大きいと感じています。

 というのも、MAはマーケティングチームが管理し、レコメンデーションはWebチームが管理し、CDPやBIはシステム部が管理しているというように、社内での部署ごとにデータやツールが分断されているケースが多いからです。しかし、顧客の心理や行動を理解するためには、それらを連携させなければいけません。また、全体を通して見られる人や組織も必要になってきます。我々電通デジタルでは、そうした組織の観点からも横串を刺せるように支援させていただいています。

 言うは易く行うは難しで、組織体制を変えるのは大変なことですが、顧客体験の重要性をお伝えすることで、ツール・組織を跨いだ施策プランニングの必要性を理解していただけるケースがほとんどです。「自分たちの部署が関わる部分のKPIだけを見てきたため認識していなかった」と、企業全体としての課題感に気づいて喜んでもらえることも多いです。企業のマーケティング担当の方も真摯に顧客体験を高めたいという思いを持たれているので、我々が少し背中を押すだけで、現場は一気にワンチームとなって進めていくことができます。

継続性のあるコミュニケーションを

——松本様はプラットフォーマーとして、今後のデジタル領域への取り組みについてどのような展望を持たれていますか。

松本:生活者が複雑化する昨今、デジタルとリアルのデータをつなぎ、顧客の今を理解して、継続性や一貫性を持った形できちんとした体験をデザインしていくことが、より重要になっていきます。Interaction Studioを通して、その架け橋となるようご支援を続けていきたいと思います。

——西田様は今後クライアント企業に対してどのような価値提供をできるとお考えでしょうか。

西田:昨今はプライバシーの要求も厳しくマーケティングが難しくなっている面があります。しかし我々は、電通デジタルという専門家集団だからこそできる、最新のソリューション提供や顧客とクライアント双方に寄り添ったコミュニケーションのプランニングを通し、価値提供ができればと考えています。我々の専門性とInteraction Studioにより、データの横串を通し一気通貫したマーケティングを実現することで、一期一会にならないコミュニケーションを提供していきたいと思います。

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/12/10 16:00 https://markezine.jp/article/detail/37496