動画+静止画がデジタル広告のスタンダードに
第1回では「Cookieレス時代に考えるべきクリエイティブ戦略」について解説しました。第2回は、動画クリエイティブを開発するための「7つのポイント」についてお話します。
第1回でご紹介した通り、デジタル広告において最も成果に貢献する要素は「クリエイティブ」であると言われています。そして昨今、デジタル広告におけるクリエイティブのスタンダードが「動画+静止画」になりつつあるのです。
Facebook社が行った調査の結果、獲得を目的に静止画と動画を併用すると、静止画のみの場合よりもコンバージョン率が17%向上しました(出典:Facebook Business「Creative Considerations for Direct Response Campaigns」)。
また、リチカがヤフーと行った共同研究においても、ある業種における動画・静止画のクリック重複率はわずか3.7%に留まりました。
つまり、動画と静止画の両方を配信することで、より網羅的なユーザーのクリックやコンバージョンを見込めるのです。動画はもはや1つの選択肢ではなく、当たり前に取り組むべきものであると言えます。
動画の必要性をいち早く理解し、動画制作に取り組んでいる企業からも「動画で成果が出ない」という声をよく聞きます。その原因を紐解いていくと、静止画は継続的に運用できている一方、動画は1本作ったきり運用が滞ってしまっているケースが非常に多いです。
まずは目的・ゴール・KPIの設定から
継続的な運用なくして成果は生まれません。そこで今回は、リチカが400社以上の動画クリエイティブの運用支援をしてきた経験から、動画広告を運用するにあたって理解しておくべき7つのポイントを紹介します。
ポイント1:目的・ゴールを定義する
1つ目のポイントは「目的・ゴールを定義する」です。動画広告を活用する目的は「新商品の認知度を高めたい」「イベントの参加者数を増やしたい」「コンバージョン数を最大化したい」など様々ですが、これらは大きく「認知目的」と「獲得目的」に分けることができます。
重要なのは目的とセットになる「ゴール」と「KPI」です。動画広告を運用する上で、何をゴールに設定するのか、そしてその達成度を何で測るべきなのかを明確にする必要があります。
たとえば「獲得」を目的とした動画広告の場合、「コンバージョン数(CV)」や「コンバージョン獲得単価(CPA)」をKPIに設定しますが、事業フェーズによっては「コンバージョンしたユーザーが購入・契約まで至っているか」「その後のLTVはどうか」などの指標も重要です。その時々で最適なKPIを見極めるようにしましょう。