HubSpotを導入し営業活動に特化したマーケティングサイトを用意
MZ:JBNでは、ハーモさんの課題をどのようにして解決していかれたのですか?
阿部:まず、営業部の主だった方々に「営業の型」をヒアリングさせていただきました。すると、ドアノック製品としては「粒断機」が最適だとすでに社内で分析済みであることがわかりました。理由としては、(1)独自性、(2)コストパフォーマンス、(3)お客様のメリットが明快(原価率を下げ、リサイクル率を上げる)という3つがあります。
そこで、コーポレートサイトとは別に、独立させたマーケティングサイトをHubSpotで新しく作り直すことにしました。お客様との接点を作るとともに、ドアノック商材をきっかけとして最終的に取り出しロボットの販売へつなげるという戦略を実現するためのマーケティングサイトです。
稲田:お客様が困っている時に解決策を求めてサイトに来てくれることを目指し、業種ごとに課題を分解したり、営業エリアごとの得意領域を意識しながらコンテンツ作りを行いました。メーカーや商社からの紹介がメインで、「エンドユーザーとのタッチポイントがないこと」が今の営業課題だとヒアリングから分かりましたので、コンテンツマーケティングとの相性はいいと判断しました。そしてお客様が一番相談しやすい「粒断機」をドアノック商品として置き、サンプルカットの申し込みをCTAとしてリードを獲得することに徹したのです。
さらにお客様との接点を増やすため、ハーモさんには「毎月1回、必ず“お客様の課題解決に役立つ”Webセミナーを開催する」ことを、約束事としてお願いしました。これは本当に大変なことだったと思いますが、ハーモさんは昨年から一度も欠かすことなく実施してくださいました。Webセミナーを行ったあとは、その内容をダウンロード資料として使うといった流れもできています。
おかげで、公開1年にも関わらずダウンロード資料のライブラリはとても充実しています。こういったストック型の取り組みはハーモ様の社風やリソースと相性がいいということが、この1年の運用で分かりました。Web活用において、会社ごとの適性を見つけるのはとても大切だと思っています。
阿部:サイトで成果を出すにはお客様側の熱意が重要です。ハーモさんは毎回真摯に情報を共有してくださいましたし、サイトの軸やゴールが明確でした。コンテンツは横山さんが作成されたリストをベースにして、私たちはWeb的な文脈でキーワードや構成、打ち出し方を一緒に考えました。そして獲得した見込み客を有効活用するためにHubSpotにリストをインポートし、毎月開催されるWebセミナーをメールで周知し、営業活動を活発化しました。
MZ:コンテンツの制作からメールの配信まですべて「HubSpot」を活用しているのですね。ちなみに、JBNさんから見たHubSpotの強みはどんなところですか?
稲田:制作会社視点のHubSpotの強みは、CRMとCMSが表裏一体であることですね。使い勝手が良く非常に素晴らしいと思っています。特にHubSpotのメール制作システムはかなり優れているのではないでしょうか。
阿部:エンジニアも何か困った時に気軽に聞ける関係性があり、必要な時はチャットや電話で質問してナレッジを得ていますので、何かあってもスピーディーに解決できています。HubSpotさんとは定例ミーティングで両社スタッフの意見交換もしており、サポート体制に満足しています。
営業の“無関心”に苦戦。どう協力を得ていったか?
MZ:導入から活用までで苦戦されたことはありますか?
河口:JBNさんご協力のもと非常に良いサイトができ、HubSpotでお客様の反応もわかるようになったことで、私たちは大喜びでした。ところが、このとき社内の営業所長たちがほとんど無反応だったのです。営業所長たちは長年、商社からの紹介で仕事をしてきていましたし、紙のDMで成果が出なかったこともあり「そんなもので顧客が獲得できるわけがない」という空気感が伝わってきましたね。
横山:そこで、JBNさんにもご協力いただきながら、Webから見込み客を創出する取り組み内容やHubSpotの説明を熱心に行いました。私自身、全国各エリアの営業責任者が集まる会議に出席し、都度活動の内容やその成果の共有を行いました。
最初は「ページビューって何?」という状態だったのですが、Webからの受注など成果が見えるにつれ、好意的に受け取ってもらえるようになっていきました。営業本部長である林が自らHubSpot上で案件フォローを割り振りするなど、定着を促進するための活動をしてくれたのも、効いたのではないかと思っています。
河口:もうひとつは、毎月実施するWebセミナーの活用です。2ヵ月に1度は営業担当者とコラボしています。全体案内は横山から送信するのですが、営業担当者がリストアップした顧客に必ず自身で個別に声をかけてもらっています。お客様のためになるので、勧めるほうも熱心に営業できます。お客様の悩みにいろいろとアプローチができるので、製品から入るよりやりやすいと思います。
稲田:営業部に協力してもらうと、集客が2段階になる効果もあります。営業の方から「御社の課題解決につながります」とセミナーを案内すると、会社によっては現場担当者、品質管理者、工場責任者などがみんなで聞いてくださる流れも出てきています。
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