クーポン配信によるROIは900%!DMと比較にならない効率性
MZ:LINE公式アカウントから配信するメッセージとDMを比較して、クーポンの使用率や再来店されるお客様の数に違いはありますか?
篠原:回収率に関しては、紙のDMのほうが高い状況です。ただ、配信コストに非常に大きな差があるので、ROIはDMが165%、LINEが2,700%と圧倒的にLINEのほうが高い結果が出ています。
加えて、クーポン配信の工数や労力に関しても、LINEとDMでは比較にならないほどの違いがあります。DMの場合、まず配信対象者のリストを作成するところから始まり、原稿作成・校正・印刷・配送と、約1ヵ月はかかります。対してLINEは、極端な話、「明日クーポンを配信したい」と思ってもすぐに実行できる迅速性があります。
MZ:LINEとメルマガを比較して良かった点は何でしょうか?
篠原:メルマガと比較すると、クーポンの配布・使用状況がわかる点にメリットを感じています。メルマガの場合、テキストでクーポンを作成・付与すると、何度も使用できてしまいます。LINE公式アカウントのクーポン配信機能では使用状況を管理画面から簡単に確認できるので、大きな違いがあります。
また、メッセージ内のURLクリックについても、概算ではありますが、メルマガと比べてLINEは倍以上の反応があります。
LINEミニアプリを活用し、デジタルポイントサービスも提供
MZ:古本市場では、LINEミニアプリも導入されています。LINEミニアプリを活用し、どのようなサービスを提供されているのですか?
篠原:LINEミニアプリで、ポイントカード機能を備えたデジタル会員証を開発し、2021年2月にリリースしました。お客様は、店頭でQRコードを読み取りLINEを立ち上げていただくだけで、ほぼワンクリックで会員登録を完了できます。
もう少し仕組みをご説明すると、店舗ごとに開設しているLINE公式アカウントとは別に、ポイントカード会員様向けのアカウントを開設しています。お客様がLINEミニアプリでデジタル会員証に登録すると、自動的にLINE公式アカウントの友だちが追加され、ここでLINEのユーザーIDと会員情報が連携する仕組みです。
MZ:なぜ、ネイティブアプリではなく、LINEミニアプリを選択したのでしょうか?
篠原:ネイティブアプリはダウンロードのハードルがありますが、LINEはすでに多くの人が使っているので、それがありません。
また、お客様に提供するデジタルサービスを導入する際は必ず、「いちユーザーとして利便性やユーザビリティが良いかどうか」を考えるようにしています。たしかに、ロイヤルカスタマーを自社アプリ内に囲い込むという方法もありますが、ユーザビリティを考慮するとLINEミニアプリが最適でした。