「ハッシュタグ」よりも「発見タブ」の時代に
2つ目、ユーザー行動の変化は「発見タブ」が多く使われるようになったことです。
「Instagramといえばハッシュタグ」そんなイメージを持っている方は少なくないと思います。しかし、情報収集の方法もこの5年間で大きく変わりました。実際に弊社が採ったアンケートでも、Instagramで最も使う機能は発見タブとのデータが出ています。
 確かに初期において、ユーザーは明らかに「ハッシュタグ検索」を活用していましたし、「ググる→タグる」の流れが急速に広まりました。しかし今では発見タブによるレコメンド型のコンテンツ消費がスタンダードとなっているのです。
この発見タブは、Instagramのアルゴリズムによって普段ユーザーが見ている投稿の特徴などを基にカスタマイズされ、ユーザーごとの嗜好に合わせた「おすすめ投稿」を表示します。ユーザーはふとした時にこの「発見タブ」を眺め、その時の気分にあったコンテンツを流し見しています。
そしてこの「発見タブ」で目に留まってもらうためには、ただただかっこいい写真を投稿するだけでなく、当然ユーザーが興味を持ってくれるようなコンテンツを発信する必要があります。
そうして企業アカウントはユーザー起点のコンテンツを発信する必要性が生まれ、今伸びているアカウントの見られるような「目に留まりやすいキャッチコピー」をつけることが当たり前になってきたのです。
Instagramのアルゴリズムの変化
これらの変化とともに、Instagram側のアルゴリズムも確実に変化し続けています。詳しくは別の回で解説する予定ですが、たとえばいわゆる「バズ投稿」と呼ばれるような投稿はやはり「発見タブ」からの流入が90%以上を占めます。
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SAKIYOMIが運用しているアカウントの「投稿インサイト」画面。発見タブからの流入がインプレッション数の多くを占めている
この観点からも「ハッシュタグ→発見タブ」という移行の流れが見て取れます。より多くの人にコンテンツがリーチするようになれば、フォロワーが増え、アカウントの影響力も当然拡大します。企業は「ハッシュタグの分析」ではなく「発見タブ」への掲載を目指して、ユーザーが求めているコンテンツとして投稿に磨きをかける必要があります。
SEO対策においても、一時期は「メタKW(キーワード)」を使った裏技が流行したタイミングがありましたが、Googleのアルゴリズムの変更により淘汰されました。Instagramにおいても同じで、向き合うべきは「ハッシュタグ」や「自社商品のPR」ではなく、あくまでも「ユーザー」です。そのためには「ユーザーが何を求めているのか」を常に考え続け、ユーザー起点としたコンテンツを発信する「コンテンツマーケ型」のアカウント運用が必須なのです。
今回はInstagramの様々な変遷をたどり、使われている目的やユーザーの行動について再定義しました。第2回以降は企業がInstagramを用いて「コンテンツマーケティング」をする際に、成功の鍵となる具体的なポイントについてテーマを絞って解説していきます。読者の皆様が持つInstagramに対する考え方の「再定義」のきっかけとして、参考にしていただければ幸いです。
