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特集:2022年の消費者インサイト

「他人軸」から「自分軸」へ Z世代を紐解く3つのキーワード

自分目線で好きなことをカタチにする

 ここからは、「MERY&」に所属する実際のZ世代を取り上げながら、同世代の価値観をさらに探っていきたいと思います。

 まず紹介するのは、Misakiさんという女性です。彼女はミュージカル女優でありながら、バーテンダーをやり、お酒に合うスイーツの開発やイラストレーターとしての仕事も行うパラレルキャリアな女性です。この方はなんとクラウドファンディングでお金を集めて、「自分の好きなもの、好きなことを集めたポップアップショップ」を自力で開催しました。ショップではお酒などを提供しながら、自身で開発したスイーツの販売や、自らのイラストや造形物の展示なども行われていました。

 普段から自分の“好き”を探究して仕事にし、それを表現する場までお金を集めて作ってしまう。好きなことをカタチにする、表現することがこの世代にとって当たり前なのです。Z世代をターゲットにしたマーケティングアプローチも、こうした個々の主体性・能動性を引き出すような“共創型のアプローチ”が発展していくと考えています。

転職は「自分アップデート」が目的

 Shioriさんという女性は、MERY&を通じて様々なメンバーの価値観に触れる中で、「将来、Webを基軸にしたサービスで“起業”したい」という気持ちが高まり、起業のためのスキルアップを目的に、Web制作関連の仕事に転職しました。Z世代の今いる場所、働いている会社などへの根本的な執着の希薄さは、他の世代からすると、驚くものがあります。

 会社のこと、他人のこと、社会のことよりも、まず「自分がアップデートすること」。Z世代はそこに生き方の主眼があります。そのためブランドへの共感やエンゲージメントを生み出すためには、こうした価値観、生き方のZ世代に寄り添ったメッセージ開発やブランド設計を行うことが重要だと考えています。

つながりのなかで、行動が生まれる

 カフェ好きの男性・まえっちさんは、自身の好きなことをシェアしたり、様々な仲間と交流したりしたいという想いがきっかけで、コミュニティに参加しました。この方もコミュニティでの関わりの中で自分の好きを深め、転職したり、MERYのWebサイトでカフェの記事を書き始めたりと新たなチャレンジをしています。コミュニティを運営していると、行動の伝播のようなことが起きます。ただそれは、誰かが好きだと言っていたものを自分も好きになるという「他人目線の行動喚起」ではなく、自分の中に眠っていた自分らしい生き方や「推し」の後押しです。Z世代のアクティベーションを考える際、やはりこうした内発的動機から行動誘発させることがカギになると考えています。

 2022年、「自分アップデート世代」は、企業側のビジネスやマーケティングや人事の戦略や意図をするりとすり抜け、自らの好きなことの実現にさらにまい進していくと思っています。そして、Z世代の主体性・能動性・行動力そのものにどう企業として寄り添い、合気道的にともに成長できるのかを模索しなければいけないと考えています。

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MarkeZine(マーケジン)
2022/01/26 09:30 https://markezine.jp/article/detail/38184

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