デジタル化は部門や全社レベルの顧客情報管理から
IT化が遅れていた中小企業を中心として、顧客情報をデジタルで管理することが喫緊の課題になっています。非対面の営業活動に移行する必然性が迫られている中小企業では、従来の展示会出展に代表される新規顧客開拓の手法が完全に機能せず、自社の売上に大きな影響を与えました。
売上を回復すべく、また、デジタル手法に移行すべく、まずは過去に接触した顧客情報を取りまとめるところから始めることが基本です。
全社横断的な顧客管理の仕組みが整っていない企業では、ほぼ例外なくExcelで顧客リストを管理しています。Excelの顧客リストは、担当者別、部門別、ひいては去年のイベント別に保管されています。
社内でバラバラに管理する顧客リストをなんとかして集約したい。そして、会社として顧客情報を営業資産として取りまとめ、非接触の方法でデジタル営業を少しでも早く実現したい。早期の売上回復を目指したい。そう考え、デジタルの活用を積極的に進める企業が増えました。デジタル活用の登竜門とも言える基本施策が、顧客リストのデジタル化に加えて、顧客リストの集約です。
顧客情報を1つのExcelファイルにまとめることもできますが、ファイルの破損による顧客リストの消失、複数人で同時編集が難しい、など運用面では課題も残ります。この課題を回避する目的で、顧客リストの管理は専門ツールを導入する企業も少なくありません。
定番ながら重要なメルマガ
顧客リストの整備ができたら、次はお客さまへの接触に移ります。対面でお客さまに会う機会が減ってしまい、DXやデジタル営業といった流れも含めて、非接触のBtoBマーケティングのさまざまな手法が注目を集めてきました。
DXと言いながらも、多くの企業がメルマガの配信から始めています。メルマガは、20年以上前からあったBtoBマーケティングの初歩的なアプローチではあるものの、ツールの導入も含めて企業の規模や予算に関わらず手軽に始められることが背景にあるようです。

売上を回復するために、休眠顧客と呼ばれる過去に接触したお客さまにメルマガで接触する。メルマガに返信があったお客さま、メルマガの開封やメルマガ本文内のリンククリックをしていただいたお客さまに対して、電話やメールで営業をする、とても単純で基本的な方法です。このアプローチは対面営業と比較して、インサイドセールスと呼ばれることもあります。
