テクノロジーを彩るクリエイターを有する「TOYOSTREAM」
MZ:博報堂プロダクツが昨年開設した、次世代型のライブ配信スタジオ「TOYOSTREAM」は、テクノロジー×クリエイティブの象徴的な存在だと思います。開設した背景や狙いについてお聞かせいただけますか。
熊谷:この1~2年で、オンライン映像コミュニケーションの需要が一気に増えました。オンラインゲームやライブ配信などのBtoC領域はもちろん、ウェビナーなどBtoB領域も同様です。これを受け、オンライン映像コミュニケーションをリードする拠点が必要だと考えて開設したのが「TOYOSTREAM」です。
最新の設備が搭載されているのはもちろんですが、「TOYOSTREAM」は単なる“箱”ではなく、その中を彩るクリエイターがいることに特長があります。XR領域が得意なクリエイターが新しい表現を試みたり、ソーシャルの領域に精通するプランナーがSNSを通じたインタラクティブな動画視聴を企画したり。最新のテクノロジーにクリエイティブを掛け合わせるクリエイターがいて初めて新しいオンラインライブ配信が生まれるので、クリエイターの数だけ可能性があると思っています。
学びを広げられる機会と環境を。産学連携で人材育成に注力
MZ:最後に今後の目標をお話下さい。
熊谷:やはり一番は人材育成ですね。はじめから「私はテクニカルディレクターです」と言える人はなかなかいません。テクニカルディレクターにおいては、スタート地点はどこでもよく、興味のある領域で軸足を作った後に、徐々に領域を広げていくことが重要です。領域を広げ、それを繋げていくと必然的に知識や知見が広がっていきます。この繰り返しを後押しするような人材育成が必要だと思っています。
また、2018年から母校であるデジタルハリウッド大学で教鞭もとっています。昨年秋からは映像クリエイティブを学ぶ学生が所属するゼミのサポートもしているのですが、彼らには、映像表現にユーザー体験を絡めて考える視点を養ってもらいたいですね。視覚は人に与えるインパクトが大きいので、その分、見た人の感情を動かしたり、行動を起こしたりする力も大きくなります。映像クリエイティブに精通する人が、いろいろな領域で広くユーザー体験を見られるようになると、映像が持つ力や可能性はさらに広がっていくと思うのです。
社内だけに限らず、こうした社外の場でも、知見や知識が広がるような環境・機会を作り、与えることを意識していきたいです。
豊洲オンライン配信スタジオ「TOYOSTREAM」について、詳しくは公式サイトをご覧下さい。