2月15日、アンダーワークスは、大手企業の顧客データ管理の取り組み実態や、顧客データ活用の動向に関する調査をまとめた「マーケティングデータ活用実態調査2022年版」を公開した。
データマネジメントへの取り組みは二極化
「マーケティングデータの活用・管理に取り組んでいますか。」の設問に対し、約半数の企業が「取り組んでいる」と回答し、その数は昨年より増加している。一方で、データマネジメントへの取り組みは「未定・予定なし」と回答する企業数も増えており、取り組み状況の二極化が進んでいる可能性がある。
データ統合・分析に進んだ企業は昨年比で1.8倍増
「マーケティングデータの管理・利活用のステージはどれに最も近いですか?」という設問では、統合基盤に多くのデータを統合済みであると言える企業が24.2%と、昨年比1.5倍に増加していた。また、統合に留まらず「分析利用」のステージにある企業は12.6%と、昨年比で1.8倍に増加した。
一方で、データの部分的なデータの連携のみを実行しており、多くのデータは統合されていないステージの企業は50.8%と半数を占めており、多様なデータを基盤に集約するまでの壁は依然として高いことが伺える。
課題は「デジタル人材不足」
データ活用・管理に取り組む際の課題に関する設問において、昨年比で最も増えた回答は「様々なテクノロジーに対する専門知識や人材不足」(43.7%)であり、昨年トップであった「組織間の連携や部門間調整」を上回り、”デジタル人材”へのニーズが非常に高まっていることがわかる。
習熟度により異なる課題
データ活用の成熟度ステージ別に見ると、人材不足以外の課題には差が見られた。成熟度の高い企業は「取り組み結果の効果測定」や「データ活用」に課題を持っている一方で、成熟度が低い場合は「取り組みへの予算確保」、「統合するデータの欠如・少なさ」、「散在する様々なテクノロジー/データの現状把握」といった課題に直面している傾向があることがわかる。
CDPなど専用ツールの導入が進行
なお、現在利用しているマーケティングデータ基盤システムに関する設問を見ると、回答数としては汎用型のクラウドインフラ・データベースが上位に上がるものの、昨年比では減少傾向が見られた。
一方で、「Treasure Data CDP」は昨年比1.4倍、「Adobe Experience Platform」は昨年比4倍、「Snowflake」は昨年比2.5倍と、顧客データ専用CDP(カスタマーデータプラットフォーム)への移行が進んでいる様子が伺える。
年商2,000億円以上の企業に絞って見ると「Treasure Data CDP」は昨年比2.4倍と、大きくシェアを伸ばしている。データ分析の次のステージである施策への活用に向け、CDPが注目されていると言えるかもしれない。
アンダーワークス代表取締役社長 田島氏は調査の結果について、「昨年に引き続き2回目のマーケティングデータ活用実態調査でしたが、1年で取り組みへの実態が大きく異なる結果となり、マーケティングデータ活用への取り組みが企業において重要な位置づけになっていることを改めて実感しました。」と見解を述べている。
【調査概要】
調査対象者:東京証券取引所に上場している全企業約3,900社(内回答社数309社)
調査方法:郵送調査/インターネット調査(日経BPコンサルティングに委託)
調査対象者の業種:全業種
調査対象者の所属:マーケティング、広報、経営企画、総務、情報システム、営業企画、商品企画、広告宣伝部など
調査対象者の役職:本部長、事業部長、部長、課長、主任クラス
調査時期:2021年11月22日~2021年12月16日
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