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【後編】コロナ禍でも大きく成長 日本に“オーガニック”を広めるべく進み続けるコスメキッチンの挑戦

コロナ禍でEC売上が9億から42億まで拡大。しかし、反省点も。

MZ:コスメ業界はコロナ禍で大きな打撃を受けましたが、Cosme Kitchenやその他のブランドは、どうでしたか?

椋林:コロナ禍の動きについては、成功と反省の両方があります。成功の部分で言いますと、お客様が外出できないという状況を受けてECを強化した結果、2019年は9億円だった売上が2020年は32億円に、2021年には42億円にまで伸びました。各店舗スタッフがライブ配信で商品の特徴や使い方を紹介する試みを多数行った結果、それまでリーチできていなかった方や、店頭で接客を受けられていなかった方々のニーズをキャッチすることができたのだと考えています。

 しかし、デジタルマーケティングの本質的なところを考えると、新しいお客様をいかに連れて来るか、ということが伴っていなければいけません。その点、我々の場合は、ECでも商品を買えるという利便性の訴求から、既存のお客様がECに流れ込む形になってしまったんです。実際にデータを見ても、コロナ禍以前にリアル店舗で購入して下さっていた方がECで商品を購入する、というケースが圧倒的に多かった。

 デジタルでコンテンツを配信することによってECを大きく伸ばすことができたというのは間違いなく大きな成功だったのですが、新規顧客の獲得にはつながらなかったこと、売り上げの面で店舗に少なからずストレスがかかるようになってしまったことは反省点です。

MZ:コロナ禍で、改めてリアル店舗の役割を実感されたところもあるのでは?

椋林:そうですね、やはり一人ひとりのお客様に寄り添って、きちんとそのお客様を理解すること。その上で、それぞれに合った提案をしていくこと。これがいかに大切か、今改めて思い直しています。

 ECへお客様が移行されたというのは、お客様の利便性が上がっているのであればポジティブな変化です。一方で、これからまたゼロスタートの気持ちで注力していきたいと思っているのは、その街でCosme Kitchenを愛してくれる、必要としてくれるお客様との関係性を構築していくこと。「やっぱり、あなた(店舗スタッフ)に話を聞いてほしい」というお客様が残って下さっているのもまた事実なので、コロナ禍は「リアル店舗の重要性を見つめ直す良い機会」だったと捉えて、リアル店舗でしか提供できない価値を再考していきます

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コロナ禍にオープンしたOMO型の次世代店舗

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2022/03/15 08:00 https://markezine.jp/article/detail/38466

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