周年×Twitterで既存ユーザーの盛り上げを
MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、長谷さんの担当業務について教えてください。
長谷:colyのマーケティング部 部長として、当社が運営しているゲームタイトルのマーケティング全般を担当しています。
MZ:今回、まほやくの2周年を記念したキャンペーンにTwitterを活用したと聞いています。その背景について教えてください。
長谷:2周年のキャンペーンは、これまで支えてくれた既存ユーザーへのお礼・還元を目的に実施しました。そして、既存ユーザーとの相性が良いプラットフォームがTwitterだったため、今回活用することを決めました。
Twitterでは、ゲームに関する口コミなどが頻繁にシェアされており、その信頼度も高く、ユーザー間のコミュニティができていました。そのため今回のキャンペーンでは、まほやく運営がTwitter上の会話を盛り上げるきっかけを作りたいと考えていました。
フルファネルの施策で会話量とインストール数の増加を目指す
MZ:では、実際にTwitterをどのように活用したのか教えてください。
長谷:今回はTwitterの持つ広告メニューを認知から獲得までフルファネルで活用し、会話量とインストール数の増加を狙いました。実際に行ったのは以下の4つの施策です。
1.周年期間開始日にトレンドテイクオーバープラスを開始
2.周年当日はタイムラインテイクオーバーとブランドいいねを実施
3.オーガニックでもブランド絵文字やAPI活用の施策、スペースを活用したユーザーコミュニケーションを実施。
4.上記の施策を行いながら、獲得広告も配信
長谷:1つ目のトレンドテイクオーバープラスでは、話題を検索タブにまほやくの動画クリエイティブを表示することで、既存ユーザーだけでなく潜在層への認知を広げることを狙いました。
2つ目のタイムラインテイクオーバーでは、Twitterを起動した際の最初の広告をまほやくがジャックすることで、Twitter上でまほやくの2周年当日を最大限盛り上げたいと考えました。また、ブランドいいねに関しては「いいねに魔法がかかった」というストーリーを作ることで、既存ユーザーの反応を狙いつつ、潜在層に対し話題を広げようとしました。
3つ目のオーガニック施策は、周年期間で既存ユーザーと一緒にゲームを盛り上げられるような施策を意識して行いました。たとえば、メインストーリーのおもしろいところを投稿していただいた方の中から抽選で、ゲームに関連したグッズをプレゼントするキャンペーンを実施しました。
4つ目の獲得広告に関しては通常時よりも予算を増やし、これまでの配信で効果的だったクリエイティブを活用していました。
タイムラインテイクオーバーの効果を引き上げたクリエイティブとは?
MZ:タイムラインテイクオーバーでは、どのようなクリエイティブを配信したのでしょうか。
長谷:タイムラインテイクオーバーはこのタイトルでは初めての実施だったので、訴求がわかりやすいクリエイティブを目指しました。具体的には、無料で2周年記念のガチャを実施している内容の訴求を1枚絵で表現しました。
また、その1枚絵の画像は分割してカルーセルにし、スワイプしていくとアプリストアに遷移する形にしました。そうすることで、認知から獲得までの対応を可能にしました。
MZ:その他に今回の施策で意識していた点があれば教えてください。
長谷:ブランド絵文字に関しては、施策ごとにハッシュタグを変えて行っていました。まほやく2周年記念特番の生放送をYouTubeで配信した際も、ハッシュタグにブランド絵文字を付けることで、盛り上がるタイミングでハッシュタグを付けてツイートしたくなるきっかけを作りました。
周年当日は開始5分でトレンド1位に、想定以上の話題化に成功
MZ:施策によって得られた成果について教えてください。
長谷:まほやくに関するポジティブなツイートが大幅に増加しました。また、ブランドいいねのいいね数は50万を超え、競合とのシェアオブボイスにも大きな影響を与えました。また、周年当日は開始5分で「 #まほやく2周年 」のハッシュタグがトレンド1位となるなど、話題化に成功したと考えています。
長谷:獲得広告に関しても、インストール数とCPIがともに改善したので、認知から獲得までフルファネルで高い成果が得られました。
MZ:ユーザーからポジティブな声が集まったとのことですが、印象に残っているものはありますか。
長谷:今回のキャンペーンの中ではインスタントウィン(その場で当落結果がわかるキャンペーン)を実施したのですが、外れが出ても「イラストがかわいいから当たりだった」といった声があったのは、とても嬉しかったですね。
周年期間中はファンアートの投稿も目立ち、お祝いイラストはもちろん、アニメーションを自作する方もいました。既存ユーザーの方が皆さんで一緒にお祝いしてくださる熱量の高さを感じました。
トレンドテイクオーバープラスとタイムラインテイクオーバーは世界観を伝えるのに最適
MZ:今回の施策を通じて得られた知見・学びがあれば教えてください。
長谷:今回の周年キャンペーンでは、これまでにない規模で様々な施策を実施しました。その中でも、トレンドテイクオーバープラスとタイムラインテイクオーバーは、作品の世界観やイメージを伝えるのに役立ちました。また、ブランドいいねはユーザーの皆さんにストーリーを共有することができました。
そして、今回のキャンペーンが成功したのは既存ユーザーの盛り上がるきっかけを作ることができたことにあると思います。今後も既存ユーザーの盛り上げは意識したいです。
季節性のモーメントを活用した施策も視野に
MZ:最後に、今後の展望について教えてください。
長谷:今後も世の中やTwitterのモーメントを捉えた施策を行いたいです。今回は、まほやくの2周年というモーメントを活用しましたが、その他にもハロウィンやクリスマスなど、季節性のモーメントを活用したキャンペーンが行えると考えています。
また、まほやくに関してはIPを活用した施策の伸びしろがまだまだあります。そのため、IPを活用したコラボレーションなどを通じて、これまでゲームと接点のなかった新規層へのアプローチを強化していきたいです。