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MarkeZine Day 2023 Autumn

「店舗のワクワク」をどう活かすのか──PLAZAとアットコスメが考える、これからのリアル店舗のあり方

求められるのは「変化」でなく「進化と深化」

 コロナ禍前と現在とを比較して、店舗の体験設計はどのように変わったのだろうか。

 田中氏は、アットコスメストアの特徴や強みである「売れ筋のランキング」「話題・ベストコスメ」「テスターバー」「カウンセリング」は従来と変わらず、それらの特徴を持続する意向であるとした。変化した部分は、ECとの併売促進だ。顧客がライフスタイルに合わせて購入方法を選択できるようになり、特に既知の商品に関しては、オンラインでの購入が増加しているという。

「ECと店舗では、消費者のライフスタイルに合わせて選択できるようにしており、店舗でしかできない経験、たとえばインフルエンサーや特定のIPを活用したリアルイベントなどを今後も積極的に実施していくつもりです。

 ブランドの世界観を表現し、美容部員による接客を通じて、未知のコスメとの新たな出会いを提供することで、顧客にワクワクを感じていただく点も追求し続けています。要求が変化するのではなく、むしろ進化すると捉えており、リアル店舗の独自の魅力や特性を再評価し、さらに深掘りしていく必要があると考えています」(田中氏)

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リアルな店頭体験の重要性は、これまでも変わらない

 向原氏は、PLAZAにおけるアフターコロナに起こった変化の一例として、顧客とのタッチポイントの増加を挙げた。

 自社には会員プログラムが存在するが、それ以上に柔軟に顧客と結びつく手段として、LINEアカウントの運用も開始。キャラクター関連では、絵本を通じて顧客の接点を増やすことを試みており、絵本の読み聞かせのためのYouTubeチャンネルで提供している。

 また、店舗スタッフでは、髪色の自由化を実施し、スタッフの個性を尊重しながら、店頭での明るい雰囲気の醸成に役立てている。スタッフが楽しんで仕事をしている姿が顧客に伝わることを認識しているのだ。インバウンドの対応でも、情報発信の強化を図り、外国からの顧客獲得にも力を入れている。

 変更を加えなかった部分は店頭体験やイベントだ。これらのイベントは顧客にとって直接的な体験の場となり、化粧品のイベントやキャラクターのイベントを通じて、幅広い世代に受け入れられる体験を提供している。

リアルな店頭体験の重要性は、コロナの影響を受けず、時代の変遷を超えて本質的に変わることはないと信じています。デジタルやアナログの傾向が変わる中で、常にその時々の最適な方法でお客様に楽しさやワクワクを伝えたいと考えています」(向原氏)

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 向原氏は、店頭でしか味わえない楽しさや興奮を顧客が感じ、これらの感情を持ち帰ることが重要であると考えている。たとえば、キャラクターイベントにおいて、これからの顧客となる子供たちに対して、PLAZAの意義や価値をしっかりと認識させ、意識していただく必要があると述べている。そのためにも、イベントの実施はこれからも継続し、さらに力を入れていくべきだと話した。

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「店舗のワクワク」をオンラインでも

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/01/31 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39081

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