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MarkeZine Day 2025 Retail

D2C企業と探る、BX(ブランド体験)の可能性

【Sparty×wevnal対談】「普通にいい」があふれる世の中で「ここにしかない」D2Cを提供する

広告・情報の次は「モノのパーソナライズ」が必ず来る

磯山:パーソナライズという概念が普及する前は、レコメンドと言ってもせいぜい数パターンの中から選ぶくらいでした。本当に1人ひとりに合ったものを提供するとなると、膨大なバリエーションになりますよね。

株式会社wevnal 代表取締役 磯山 博文氏
株式会社wevnal 代表取締役 磯山 博文氏

深山:パーソナライズって、裏側はやっぱり面倒くさいんですよ。同じものを大量に作って売ったほうが収益性は絶対良いですから、費用対効果で見れば「やめたほうがいい」ってなりますよね。それでもなぜやっているのかというと、将来必ずパーソナライズの時代が来ると信じているからです。

磯山:その人に合ったものをおすすめするのが主流になると?

深山:はい。DSP(Demand-Side Platform)などアドテクノロジーの登場で「広告のパーソナライズ化」が進み、データに基づいてその人に合ったコンテンツを表示する「情報のパーソナライズ化」も進化しました。次は間違いなく「モノのパーソナライズ化」が来るでしょう。

磯山:それだけ自分に合ったものを見つけるのに苦労している人が多いということですね。

深山:先ほど話したクラフトビールの例のように、勝手におすすめされるよりも自分の好みを聞いてくれて「自分のことをわかってくれた上でこれを提案してくれたんだ」と感じられるほうが愛着だってわくし、「次は違うものもおすすめしてもらおう」と思うじゃないですか。

 パーソナライズは顧客とのリレーション強化に大きく貢献するし、ブランド価値やロイヤルティの向上にもつながると思っています。

磯山:ユーザー自身が好みを伝えたり選んだりすることで自分ゴト化してもらい、ブランドの価値がどんどん上がっていくという世界観を作ろうとしているんですね。

企画設計から配送まで一気通貫で見る

深山:モノのパーソナライズは間違いなく進むし、UIもチャットボットから音声入力に変わっていくでしょう。人は楽なほうに流れますからね。それらに対応したバリューチェーンを作っていけたらと思って準備しています。

 たとえば、話しかけると自分に合ったサービスを提案してくれるプラットフォーム「SPARTY made to order STORE」のベータ版では、この中に乗せるブランドや裏側のアルゴリズムを開発中です。

磯山:プロダクトを開発するだけでなく、プラットフォームとしてバリューチェーンのあらゆるところに対応していくということですね。ユーザーの情報が蓄積されれば、様々な周辺サービスを展開できそうだと感じました。

深山:UIを介して注文から設計、製造、配送までを一気通貫でできればと。Amazonがアレクサで実現しようとしている世界と似ているかもしれませんが、違うことをやるために重要なのがパーソナライズだと考えています。

 パーソナライズっていい意味でSKU(在庫保管単位)がブラックボックスなので、商品が横流れしにくいんですよ。仮に二次流通が起きても、それが自分に合ったものかはわからない。弊社のプラットフォームが唯一オリジナルの入口になるんです。

磯山:他人のためにパーソナライズされたものを買っても仕方ないですからね。

深山:パーソナライズの仕組みができれば、本当に自分に合ったものはここにしかないという強みになります。僕がビジネスで一番おもしろいと思うのは仕組み作りなので、今が一番楽しいです。

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パーソナライズをニッチなものにはしたくない

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この記事の著者

磯山 博文(イソヤマ ヒロブミ)

株式会社wevnal 代表取締役

 2008年大手インターネット企業に新卒で入社し、メディアレップ事業、新規事業開発に携わる。2011年4月に株式会社 wevnal を創業し、LTV最大化を実現するBXプラットフォーム「BOTCHAN」を展開。累計導入社数は600社を超える。

 12期目を迎えた20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/21 08:00 https://markezine.jp/article/detail/39185

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