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MarkeZine Day 2025 Retail

イベントレポート

情報を“あえて”送らない判断も必要 接触すべき対象を見極め、消費者のエンゲージメントを向上させるには

ロイヤル顧客と一般顧客 コミュニケーションコストを割くべきはどちらか

 WOW engageの開発にあたり、WOW WORLDでは専門家に協力を依頼。統計学を用いたデータ分析においては、2022年5月10日(火)付でWOW WORLDとの資本業務提携を発表したデータビークル副社長の西内啓氏がサポートしている。

統計学者でデータビークル副社長の西内啓氏
統計学者でデータビークル副社長の西内啓氏

 西内氏によると、従来のRFM分析(※)のほか、最近ではAIによるスコアリングなどからロイヤル顧客を見つけ出し、彼らに対して積極的にコミュニケーションを図る企業も多いという。しかし「それでは十分なデータ分析とも効果的なコミュニケーションとも言えない」と西内氏。

※Recency(直近いつ)Frequency(頻度)Monetary(購入金額)の3つの指標を用いて顧客をグループ分けする顧客分析手法

 「『ロイヤル顧客にどこまでコミュニケーションコストを割くべきか』については再考の余地がある」と語る。西内氏の考えでは、企業が優先的にコミュニケーションを取るべき対象は、必ずしもロイヤル顧客ではないというのだ。

「接触してはじめて購入を決める人」を適切に見つける

 西内氏は、企業が顧客とコミュニケーションを取る価値について「接触した人と接触しなかった人の間に、売上などの差が生まれることだ」と発言した上で、次のように語る。

 「コミュニケーションという『原因』が売上やコストなどの『結果』にどれほど影響してくるのか、仮説を立ててみるとよいでしょう。重要なのは、コミュニケーションを取らずとも商品・サービスを購入してくれる人ではなく、このまま接触せずにいると購入してくれないかもしれない人を適切に見つけることです」(西内氏)

西内氏が会見中に示したグラフ。ロイヤル顧客よりも一般顧客の方が、企業からの接触の有無によって購買金額に大きな差が生まれやすいという

西内氏が会見中に示したグラフ。ロイヤル顧客よりも一般顧客の方が

企業からの接触の有無によって購買金額に大きな差が生まれやすいという

 「データを分析してなんとなくロイヤル顧客を見つけてコミュニケーションを図るというやり方では残念ながら売上にはつながりません」と強調する西内氏。そのやり方の危険性を次のように警告する。

 「あまりにも頻繁に連絡が来るあまり、せっかく送ったメールが迷惑メール扱いされてしまったりすると、むしろ逆効果です。企業側が良かれと思っていたコミュニケーションが、顧客の離脱につながってしまうというリスクすらあります」(西内氏)

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この記事の著者

宮田 浩平(編集部)(ミヤタ コウヘイ)

MarkeZine編集部。香川県出身。2016年に時事通信社入社、広島支社、岐阜支局で勤務。2019年から広告・マーケティングの専門メディアで編集者。主にPR・ブランディングやプロモーション領域の取材を担当。2022年5月から現職。企業のサステナブルやDE&Iを軸にした取り組みに興味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/20 07:00 https://markezine.jp/article/detail/39196

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