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特集:現場に再現性をもたらす マーケターが知っておきたい手法&フレームワーク

マーケティングにはファンダメンタルズ×テクニカルの両輪が欠かせない

テクニカルの経験はファンダメンタルズに活きる

──ファンダメンタルズとテクニカルを兼ね備えることが、マーケティングで成果を上げるには欠かせないのですね。

 現実的には人による向き不向きもあるため、どちらもパーフェクトに習得する、とはいかないかもしれません。ですが、少なくとも組織においては両輪を回せるようにしておくことが大切です。当社ではマーケティング組織を運用チームとクリエイティブチームに分けていますが、両者が協力することで達成できるような目標設定しています。もちろん、両方お互いの考え方を理解しているのは大前提です。

 お勧めしたいのは、広告運用などを担当して下流工程を知り尽くしたマーケターが、クリエイティブや商品開発などの上流工程に挑戦することです。「こういうクリエイティブを出せば成果が出る」という感覚をもっているので、できあがった商品に合わせてマーケティングをチューニングするのではなく、最も成果が出るマーケティングに合わせて商品を作ることができます。当社でも以前、リスティング広告のキーワードから逆算して売れる商品を作っていたことがありました。候補になりそうなキーワードをピックアップして、そのキーワードがどれぐらい検索されているかを調べてから、商品化するかどうかを決めていったのです。下流工程を知らない人は、自分が良いと思う商品・思い入れのある商品を作ろうとしますが、ユーザーの反応を目の当たりにしてきた人は、コンセプトを聞いた瞬間、売れる・売れないが判断できるようになります。その強みを、上流工程で活かすと良いと思います。

──本書ではそれぞれの発想を活かした考え方・手の動かし方も説明されているので、自分が手掛けたことのない工程を理解する目的でも使えると思いました。最後に、Webマーケティングに携わる読者に向けてメッセージをお願いいたします。

 私が目指しているのはすみ分けです。各自が自分たちの商品の良さとその商品に合ったお客さんを見つけてマーケティングを落とし込んでいけば、本来、他商品との競争はなくなるはずです。「この商品はこの人に向いている」というのを見出せずに、他社でうまくいっているパターンやクリエイティブを真似し合っていると、同質化が進み、マーケットそのものが縮小し、競争が激化していきます。そうではなく、ファンダメンタルズとテクニカルを両輪で回すことで、全員が共存できるようなマーケティングを一緒に作っていきましょう。

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/27 08:45 https://markezine.jp/article/detail/39227

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