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メタバースビッグバン、次々に生まれる世界をどう活用すべきか?

群雄割拠の国内メタバース、動向と海外との違い

 メタバースをマーケティングに活用するという目的のもと、客観的・体系的に分析する本連載。第2回は国内メタバースが盛り上がりを見せる背景と、NFTや暗号資産に対するアプローチの国内外での違い、国内主要メタバースについて整理します。

なぜ国内でもメタバースが話題になっているのか

 メタバースというキーワードが、大きく取り上げられたきっかけは、2021年のfacebook社の「meta」社への社名変更が一番大きいだろう。その後、日本国内でもメタバースというキーワードを含むビジネスニュースが急速に増えた。では、なぜこういった潮流が起きているのだろうか? 国内でメタバースのビジネス利用が進んできている理由は3つある。

 1つ目は、技術環境。簡単にいうとPCやスマホのスペックが、メタバースを展開する3Dのビジュアルを容易に表現できるものになった。さらに、テレワークの普及が進んだことによる自宅のインターネット環境が改善や、スマホ回線の5G化も関係している。

 つまり、家庭用の一般的なPCでも3Dや動画が滑らかに動き、家でも外でも快適にインターネット上のコンテンツにアクセスできるようになったためだ。

 2つ目は、ゲーム環境の発達だ。「あつまれどうぶつの森」「Fortnite」を始めとするMMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game:数千人規模のプレイヤーが同時に参加できるオンラインゲーム)上で、ユーザーたちは当たり前のように交流している。仮想空間上で一緒に同じ目的を共有、達成することが一般的となった。

 3つ目が、国内大手企業の本格参入だ。Z世代の取り込みに注力するため、メタバースという新しいコミュニケーションの場を開拓し始めている。私は、これが最大の要因だと考えている。

ソフトバンクも参入、Z世代の取り込み

 Z世代の定義は様々だが、ここでは12歳から32歳の世代を指す(2022年現在)。Z世代の特徴は、インターネット常時接続、SNSネイティブ、パーソナライゼーションへの慣れ、といった点が挙げられる。特にこのインターネット常時接続、SNSネイティブといった点とコロナ禍による影響で、Z世代には顔を合わせないコミュニケーションに慣れていることとスマートフォン中心の行動により、テレビ視聴への行動変化に大きな特徴がある。

 もちろんテレビでのマーケティングが不要になったわけではない、テレビコンテンツは今でもインターネット経由で様々なアプリから利用されている。しかし、同時にSNSも活用されており、テレビCMだけではなくSNSを通したコミュニケーションも欠かせない。一方で、SNSのさらなる先のコミュニケーション戦略として、メタバースに取り組むケースも出てきている。

 直近で、Z世代取り込みのためにメタバースを活用した企業がソフトバンクだ。2022年6月にソフトバンクがメタバースプラットフォーム「ZEPETO(ゼペット)」内に、バーチャル携帯ショップ「ソフトバンクショップ in ZEPETO」をオープンした。

ソフトバンクショップ in ZEPETO
ソフトバンクショップ in ZEPETO

 「ZEPETO」は、3Dアバターの種類が多く、400万以上のアイテムでアバターを自己表現の場として利用できる点が特徴だ。ディズニーやグッチとコラボしたアイテムや、アバターの動作、ダンス等を他のSNSにアップし、理想の自分を表現できる。

 同店舗オープン時の取材会見にて、ソフトバンク サービス企画本部 本部長の原田賢悟氏は「Z世代については、なかなか個人でソフトバンクショップにご来店いただくということがない。お客様の選択肢を広げたい」とメタバースへの出店理由を説明し、まさにZ世代取り込みを謳っている。

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この記事の著者

山田 輝明(ヤマダ テルアキ)

NRIネットコム株式会社 クラウドテクニカルセンター 副センター長 兼 営業DX推進担当

2009年にNRIネットコムに入社。デジタルマーケティング事業を立ち上げ、特にGoogleアナリティクス、デジタル広告に関するビジネス拡大に注力。2018年にNRIネットコムから一旦退出し、株式会社MeeCapを設立、スタートアッ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/39468

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