個の体験にフォーカスしたテレビCMで認知を獲得
MZ:日本のマーケットでシェアを狙うにあたり、どのようなマーケティング施策を展開してらっしゃるのでしょうか?
ジェンセン:まずはIndeedがどのようなサービスを提供する会社なのかを知ってもらうために「仕事探しはIndeed♪」というリズムに合わせたテレビCMに着手しました。
次の段階として、テレビCMの内容を個人の実体験によりフォーカスしたものへと変化させました。それが「Radio Indeed」シリーズです。このシリーズではラジオ番組のようなシチュエーションで、パーソナリティーの2人(俳優の斎藤工と泉里香)が、実際にIndeedのサービスを利用した複数の求職者のエピソードや体験を再構成したものを語っています。このシリーズを通じて、視聴者に「もしかしたら私も、今よりもっとよい仕事があるかもしれない」と転職を選択肢のひとつとして具体的なイメージを持ってもらう狙いがありました。
各種施策により、日本の人材市場において当社の認知度が高まった点に関しては、非常に満足しています。
LGBTQ+当事者や女性を対象にした課題解決のための施策
MZ:貴社では、社会的に意義のある取り組みも数多く展開していらっしゃる印象ですが、近年実施されたものを教えてください。
ジェンセン:ひとつに、LGBTQ+当事者の方々を対象とした「Indeed Rainbow Voice」プロジェクトがあります。これは、Indeed Japanが2021年から取り組んでいる、LGBTQ+当事者らの仕事に関係する悩みや課題を社会に知ってもらうための施策です。2022年には特設サイトを開設し、当事者の声を募集。集まった声を基に、雑誌の創刊やオンラインセミナーを開催しました。

「Indeed Rainbow Voice」プロジェクトの集大成として、当事者らの職探しを巡る生の声を紹介した雑誌『BE』。
2022年6月に発刊され、4,500冊が全国の書店や街中で配られた
ジェンセン:そのほかには、全国の女子中高生を対象に、IT業界におけるキャリア形成の方法をレクチャーするオンライン授業を開催し、約50人が参加。既に他国で実施していた女性向けのコーディングに関するコンテストも、2021年には日本在住の女性を対象に初めて開催しました。
MZ:これらのお取り組みの根底には御社のミッション「We help people get jobs」があるのでしょうか?
ジェンセン:そうですね。我々がLGBTQ+の当事者や女性を巡る課題に取り組んでいる理由は、決して「今流行しているから」「カッコよく見えるから」ではありません。長年、米国では黒人やヒスパニック系の方々を巻き込んだ活動を展開してきました。ダイバーシティに関しては日本でも“波”が起きつつあるので、これまでの取り組みや知見を活かしつつ、その波を我々も一緒になって作ろうとしています。