コロナ禍を背景に高まった「柔軟な働き方」というニーズ
MarkeZine編集部(以下、MZ):コロナ禍により、グローバル全体の人材市場の動向はどのように変化したのでしょうか?
ジェンセン:業界によって急成長したところもあれば、非常に業績が落ち込んでしまった分野もあります。たとえば、ヘルスケア業界では人材のニーズが非常に高まりました。Eコマースや輸送に関連する領域も成長している一方で、ホテル、観光、飲食業界などは厳しい局面を迎えています。
ジェンセン:また、個々の生活者の環境変化でいえば、家庭内の健康不安などから急に仕事を辞めざるを得ない人や、業種の変更を余儀なくされた人も多いようです。たとえば「今まではホテルに勤めていた人がヘルスケアの分野で働き始める」などの変化がありました。
コロナ禍によって悲惨なことがたくさんあった一方で、社会全体が「リモートワークも可能だ」ということを学べたのではないでしょうか。米国においては副業が大変盛んになってきていますし、より柔軟性の高い働き方を求める人が増えてきています。
Indeedのミッション「We help people get jobs」
MZ:Indeedの本国におけるマーケティング戦略について伺えますか?
ジェンセン:Indeedのミッション「We help people get jobs」の通り、米国のIndeedを利用している約6,300万人の求職者に対し「より良い仕事を見つけて、より良い暮らしを手にしませんか」というメッセージを発信しています。そこからメッセージを細分化して「ヒスパニック系」「黒人」「LGBTQ+」など、それぞれの属性の方々から共感いただけるよう工夫しています。
企業に向けては「最適なタレント(人材)をより早く効率的に見つけることができる」というメインメッセージを発信しつつ、トラック輸送の会社や病院、ヘルスケア関連企業など、様々な業種・業態、企業規模に合わせて表現を変えています。
最適なタレントをより早く効率的に見つけていただくための取り組みとして、テクノロジーを活用しています。具体的には、履歴書などの情報を基に、企業に対して最適な候補者を推薦できるシステムを導入。その結果、クライアントが自社の課題を解決してくれる人材を効率的に見つけることができるわけです。