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仕事観が劇的に変わる。長谷川氏に学ぶ「人生のプロマネ術」

P&Gから楽天、Facebook Japanへ。起業という中間目標を達成するまでのキャリアを振り返る

楽天で学んだのは「攻めのビジネス」姿勢

MZ:P&Gの後、2012年に楽天に入社されています。楽天もまた特徴的なカルチャーを持つ企業なので、得るものも変わってきそうです。

長谷川:楽天ではグローバルマーケティングの責任者として、インターネットの世界を経験しました。ここで実感したのは、リアルな時代の変化です。日に日に増していくモバイルショッピングの規模感と可能性を、文字通り肌で感じました。P&Gと比べると、まったくの別世界です。

 もう1つ、楽天はインターネット黎明期に誕生した企業であり、スタートアップらしいストリートファイト的なカルチャーがありました。具体的にはとにかくスピード重視で、「本当の勝負どきにはスピードを優先」「最初から完璧でなくても、少しずつ改善していけば必ず成功できる」という考え方があるんです。あとは、「ビジネスも素因数分解して1つずつチューニングしていけば必ずうまくいく」「情報を取りに行く労力やエネルギーを惜しまない」といった姿勢から学んだことも大きく、そういったストリートファイト的なビジネスとの向き合い方すべてがとても新鮮でした。

MZ:人生のプロマネ上では、楽天でのキャリアには「インターネットの世界を知る」という目的があったそうですが、楽天のカルチャーに学ぶことも大きかったのですね。

長谷川:そうですね。少し極端な表現になりますが、「しっかり腰を据えてビジネスを展開するP&G」に対し、楽天をはじめとするテック企業は「スピード重視でどんどんビジネスを仕掛けていく」ところがあります。その両面を見られたのは自分にとってとても価値があったと思っていますし、この2つのスタイルを織り交ぜる形で僕自身のリーダーシップスタイルが築かれていきました

Facebook本社で世界のトップタレントを目の当たりにし、感じたこと

MZ:楽天に転職してから3年後の2015年にFacebook Japanの代表取締役社長に就任されています。最初はこのオファーを断ることも考えたそうですが、当時どのような考えがあったのですか?

長谷川:人生のプロマネでは35歳で起業する予定で、2015年時点で予定から数年過ぎていました。また、Facebook Japanの代表は生半可な気持ちで受けていい役職ではありません。いただいたオファーに対し「そろそろ起業するべき時期なのでは?」という葛藤があったのは事実です。そんな時に「一度カリフォルニアの本社に来てみないか?」と誘われました。

MZ:本社に行かれて、いかがでしたか?

長谷川:驚きました。本社では色々な方にお会いしましたが、「世界のトップタレントとは、こういう人たちなのか」と衝撃を受けたんですね。頭が切れて仕事ができるのはもちろんですが、ほんの数分話しただけで「友達になりたい」と思えるような魅力にあふれている。先日 COOに就任したハビエル・オリバンとは共通の趣味のサーフィンに関する話をしましたが、嫉妬してしまうくらい本当に印象的な人でした。

 自分のこれまでの実績について多少のプライドはありましたが、彼らを見ていると、すごく自分が小さく思えてきて。まだまだ自分には伸びしろがあることを思い知ったわけです。そうして、「今ここで起業を先延ばしにしても、彼らと一緒に仕事をする経験は必ず将来に活きるし、自分で起こす事業のスケールにも影響するはず」と考えるようになりました。

 ただ、先にも話しましたが、僕はやはり企業と働き手には“win-win”の関係性があるべきだと考えています。「自分はFacebookに何が提供できるのか?」と思い、話を聞いてみると、当時すでにグローバルでは伸びていたInstagramが、日本ではまだまだこれからというステージであることがわかりました。P&G時代にグローバルの組織でプロダクトを成長させる経験は多少積んでいたので、自分にも提供できる価値があると思い、Facebook Japanの代表を引き受けたという経緯がありました。

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自身のリーダーシップのスタイルにも変化が

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/28 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40352

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