自分の人生を「プロジェクトマネジメントする」とは?
MarkeZine編集部(以下、MZ):長谷川さんは新卒で東京海上火災に入社後、P&G、楽天、Facebook Japan代表を経て、2019年にMOON-Xを起業されました。ここまでのキャリアには、自分の人生をプロジェクトマネジメントする「人生のプロマネ」があったと伺っています。今回はその人生のプロマネ術について、長谷川さんのキャリアを振り返りながら聞いていきたいと思います。
長谷川:では、まずは「人生のプロマネ」を始めたきっかけからお話ししましょう。僕が人生のプロマネを実践し始めたのは、P&G入社後の2004年のことでした。
P&Gでは、ビジネスの成功確率を上げるための“仕組み”や“フレームワーク”があり、これらが精度高く再現されています。中でも僕がP&Gに入って「これはすごいな」と思ったのが、プロジェクトマネジメントのフレームワークです。と言っても、特別すごいポイントがあるわけではありません。「目指すべきゴールを設定」して、そこに向けての「段取りを設計」していく。基本はこの2ステップで、中身は非常にシンプルです。
MZ:なるほど、本当にシンプルですね。
長谷川:要は、「このプロジェクトで何を達成したいのか?」という成功の定義を決めて、その成功に向けて「いつまでにどういうステップを踏めば、それを実現できるか?」というGates&Datesを設定していくんですね。日付とタスクを管理し、ステップを進めていくことで成功確率を上げていきます。プロジェクトマネジメントの手法としては極めて一般的ですが、「ゴールをしっかり設定して、段取りを立てて着実に進めていけば成功確率が上がるんだ!」ということを実践を通して実感しましたし、僕にとってはストンと腹落ちするものでした。