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データで読み解く

TikTokユーザーはどんな人?プロファイル分析から「TikTok売れ」の背景を考える

 次世代の動画配信プラットフォームとして注目を集めるTikTok。前回の「データで読み解く」では、アプリログデータ「A-cube」を用いてTikTokの市場規模や利用動態を明らかにしました。今回は、全国3万人に約130ジャンルに及ぶ、所有/嗜好ブランドなどを聴取し蓄積しているマクロミルの「ブランドデータバンク」を用いて、「TikTok売れ」の起点となるTikTokユーザーのプロファイルを明らかにしていきます。

TikTokの市場規模や利用動態を明らかにした記事「アプリログデータから見えた「TikTok売れ」の要因とは?」はこちらから。

学生を中心とした若年層のユーザー獲得

 今回は、TikTokのユーザー特徴を把握するため、「ブランドデータバンク」の調査で、「よく利用する無料動画」として「TikTok」と回答した1,039人を対象として、プロファイルを分析しています。

 はじめにTikTokユーザーの基本属性を見ていきます(図表1)

図表1:TikTokユーザーの基本属性

 性年代の構成比を確認すると、女性10代・20代の割合が約40%を占めており、20代以下の女性がメインユーザーであることが把握できます。また、男性10代・20代の割合も、調査回答者の全体構成比と比べて高いことから、男女ともに若年層の利用が活発であることがわかります。職業では学生の割合が非常に高く、特に高校生のユーザーが多いことが確認できます。さらに、家計面の特徴を見ていくと、若年層の割合が高いため個人年収は低いですが、全体と比較すると1ヵ月に使用できるお小遣いは平均的であることがわかります。

 以上の基本属性の特徴から、TikTokは20代以下の女性を中心として、ユーザーを獲得しており、その中でも学生の割合が高いことがわかりました。TikTokが情報感度の高い「Z世代」のユーザー獲得に成功したことが、最新のトレンドを左右する媒体として成長した要因として考えられそうです。ここから、TikTokのメインユーザーである20代以下の若年ユーザーに焦点を当て、情報収集方法や趣味興味などのプロファイルを確認していきます。

動画以上に会話を重視? コミュニケーション重視の情報収集方法

 ここから、20代以下のTikTokユーザー595人を対象として、情報収集方法や趣味趣向、消費行動についてプロファイルを深掘りしていきます。

 まずは、TikTokユーザーの情報収集方法を確認します(図表2)

図表2:TikTokユーザー(20代以下)の情報収集方法 ※ポイント差分による降順

 情報源の信頼度を見ると「SNS」「家族」「友人・知人」が重視される傾向があり、これらの項目から、テレビやインターネット上の情報よりも、身近な人とのコミュニケーションから得た情報への信頼度が高いと考えられます。

 次に、利用しているサイト・アプリのジャンルを確認すると、「SNS」「ファッション・コスメ・美容情報」の項目のポイントが高くなっています。SNSの利用動態について詳細を確認すると、SNSアプリでは「Instagram」を積極的に利用しており、SNSの利用目的としては、「【閲覧】好きな有名人」「【交流】友人・知人・家族」「情報の検索」などのポイントが高いことがわかります。このことから、TikTokユーザーは交流や情報収集を中心にSNSを利用していることが考えられ、また、「美容」「ファッション」「有名人」などのトピックに対して敏感であることが見受けられます。

 TikTokユーザーが、コミュニケーションを介した情報への感度が高い背景には、「仲間から意見を求められる」「良いと思ったものは、他人にも勧める」などの身近な人との双方向のコミュニケーションを重視する価値観が影響していると考えられます。

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この記事の著者

笠原 聖大(カサハラ マサヒロ)

株式会社マクロミル
データビジネスデザイン本部 テクノロジー&デジタルプロダクツ部 イノベーションイニシアティブ G

米国ウィスコンシン州立大学にてビジネスアナリティクスを就学し、データサイエンスを専攻。マクロミル入社後、データアナリストとしてプロダクト開発部門に所属する。行動と意識のデータを掛け合わせた新規サービス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/26 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40796

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