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データで読み解く

アプリログデータから見えた「TikTok売れ」の要因とは?

 新たな動画配信プラットフォームとして急激な成長を遂げているTikTok。2021年9月には世界の月間利用者数が10億人を突破し、国内ではTikTokで紹介された商品やコンテンツが爆発的に拡散しヒットする「TikTok売れ」という動きも注目を集めている。また、TikTokによって生み出された「ショート動画」や「縦フルスクリーン動画」といった新たなUXは、ユーザーのアテンション(注意)を引き付ける効果的な技術として、マーケティングにおける重要性が高まっている。今回の「データで読み解く」では、マクロミルのアプリログデータ「A-cube」を用いて、近年のデジタルマーケティングに大きな影響を与えているTikTokの市場規模や利用動態について明らかにしていく。

※本記事は、2022年11月25日刊行の『MarkeZine』(雑誌)83号に掲載したものです。

動画アプリとしてのTikTokの現在地

 はじめに、TikTokの動画アプリとしてのユーザー規模について確認します。動画・SNSアプリの利用率(図表1)を確認すると、2022年6月時点のTikTokの利用率は11.8%であり、YouTube、Twitter、Instagramと比較するとユーザー規模は成長途上にあります。

図表1 動画・SNS アプリの利用率(2022年・2021年比較)(タップで画像拡大)
図表1 動画・SNS アプリの利用率(2022年・2021年比較)(タップで画像拡大)

 また、2021年から2022年にかけて、TikTokは2.9ポイント増加しているものの、他のアプリの変化と比べて大きな差がないことから、ユーザー規模の成長速度は鈍化していると考えられます。

 次に、動画アプリの利用状況別の市場人数シェア(図表2)から、市場全体に占めるTikTokユーザーのYouTube利用状況を確認します。

図表2 動画アプリの利用状況別の市場人数シェア(2022年・2021年比較)(タップで画像拡大)
図表2 動画アプリの利用状況別の市場人数シェア(2022年・2021年比較)(タップで画像拡大)

 2022年6月時点の、TikTok・YouTube併利用が11.4%、TikTok単体利用が0.4%であることから、TikTokの利用者のほとんどがYouTubeとの併用者であることがわかります。また、2021年から2022年の変化を確認すると、併利用割合は2.8ポイントの増加であり、他の利用状況と比較して変化が大きいことから、新規のTikTokユーザーはYouTube単体利用者から獲得していると把握できます。

 TikTokは、ユーザー規模が依然として成長途上であり、今後の新規ユーザー獲得に向けてYouTubeのみを利用している人をいかに取り込めるかが課題であると考えられます。

ショートだけどロングなTikTokの利用時間

 続いて、動画・SNSアプリの市場時間シェア(図表3)から、市場全体のスマホ利用時間に占めるTikTokの市場時間シェアを確認します。

図表3 動画・SNS アプリの市場時間シェア(2022年・2021年比較)(タップで画像拡大)
図表3 動画・SNS アプリの市場時間シェア(2022年・2021年比較)(タップで画像拡大)

 グラフを見ると、TikTokの市場時間シェアは1.0%であり、YouTube、Twitter、Instagramと比較すると小規模です。しかし、動画・SNSアプリの利用1日当たりの平均利用時間(図表4)を用いて、ユーザーごとの利用時間を見ていくと、TikTokは平均利用時間が39.5分とTwitter、Instagramよりも高いことが確認できます。

図表4 動画・SNS アプリの利用日当たりの平均利用時間(2022年・2021年比較)(タップで画像拡大)
図表4 動画・SNS アプリの利用日当たりの平均利用時間(2022年・2021年比較)(タップで画像拡大)

 また、2021年から2022年の変化差分を見ていくと、TikTokは4.3分の増加、YouTubeは3.0分増加しており、YouTubeが開始した「YouTubeShort(※)」によるTikTok利用時間の流出規模は小さいことが考えられます。

※2021年7月からYouTubeが開始した最大60秒までの縦型動画を投稿・閲覧できるサービス

 これらの利用時間に関するデータから、TikTokはユーザー規模が小さいため、他の動画・SNSアプリと比較して市場時間シェアは小さいものの、動画媒体として他のSNSアプリよりも利用時間を延ばすことに成功していることが確認できました。また、昨年からの利用時間の増加が大きいことから、YouTubeやInstagramのショート動画利用への流出規模は小さいと考えられるでしょう。

TikTok利用者は20代以下の若年層が中心

 ここまで、TikTokの市場での利用者規模と利用時間規模を確認してきました。ここから、TikTokユーザーの属性に焦点を当て、動画・SNSアプリの性別・年代別の構成比(図表5・6)を用いて、属性別の利用動態について確認していきます。

図表5 動画・SNS アプリの性別構成比(2022年・2021年比較)(タップで画像拡大)
図表5 動画・SNS アプリの性別構成比(2022年・2021年比較)(タップで画像拡大)
図表6 動画・SNS アプリの利用率(年代別)(タップで画像拡大)
図表6 動画・SNS アプリの利用率(年代別)(タップで画像拡大)

 TikTokユーザーの性別を確認すると、男性が49%、女性が51%であり、性別でのユーザー属性の違いは見られません。次に、ユーザーの年代を確認すると、15〜19歳が20%、20代が22%であり、20代以下の若年層ユーザーが約40%を占めています。また、他の動画・SNSアプリと比較すると、15〜19歳の割合の大きさが顕著であることから、TikTokユーザーはいわゆるZ世代が中心であると確認できます。

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この記事の著者

笠原 聖大(カサハラ マサヒロ)

株式会社マクロミル
データビジネスデザイン本部 テクノロジー&デジタルプロダクツ部 イノベーションイニシアティブ G

米国ウィスコンシン州立大学にてビジネスアナリティクスを就学し、データサイエンスを専攻。マクロミル入社後、データアナリストとしてプロダクト開発部門に所属する。行動と意識のデータを掛け合わせた新規サービス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/08 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40658

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