今後のNFT市場はどうなるのか
現在NFT市場は、販売額がピーク時の10分の1以下に下がり、大手メディアによる報道も少なくなっている。ただ、InstagramにおけるNFTの取り組みからも見てとれるように、水面下でインフラ構築が進んでいる状況だ。
インフレやリセッション懸念などマクロ経済の影響もあり、今後NFT市場がどのような展開となるのかを予想するのは困難だが、景況感が回復すれば、インフラ整備とともに大きく伸びる可能性はあると考えられる。
イギリス・ロンドンに拠点を置くテクノロジー専門の調査会社「Technavia」は、11月2日に発表したNFT市場レポートで、NFT市場の2021〜2026年までの年平均成長率は35%以上となり、同期間の市場規模の増分は1,472億ドル(約19兆円)にのぼると推計。
これ以外にも、2030年のNFT市場を予想する調査もいくつか存在する。Veirfied Market Researchは、NFT市場の今後8年の年平均成長率が33.7%となり、2030年には市場規模が2,310億ドル(約30兆円)に達すると予想。一方、Grand View Researchは、年平均成長率33.9%で、2030年の市場規模を2,117億ドル(約28兆円)と予想している。
企業のNFT取り組みはNikeが先行か
NFT市場の今後を予想する上で、大手企業の取り組み動向は無視できない。
101blockchainは2022年9月の記事で、NFT活動が顕著だった企業トップ10を抽出。このランキングには、Nike、adidas、GUCCI、Tiffany、McLarenなど、日本でも広く知られる企業が名を連ねた。
とくにNFT投資活動が顕著と言われているのがNikeだ。NFTの累計収入は1億8,369万ドルにのぼり、ほかの企業のNFT収入を圧倒。また、デジタルアセット企業「RTFKT」の買収などにより、独自にNFTを制作する体制も整えている。
またNikeは今年11月にWeb3のプラットフォーム「.Swoosh」をローンチ。このプラットフォームは、Web3ゲームで利用できるNikeのTシャツNFTやスニーカーNFTをローンチするハブとして機能すると言う。
直近では、PorscheやBMWなどでもWeb3/NFT関連の取り組みが活発化しているとのニュースが報じられたところ。こうした企業がInstagramを活用し、NFTを直接販売するようになっていくのだろう。
参考記事
- Meta Newsroom「Introducing Digital Collectibles to Showcase NFTs on Instagram」
- CoinDesk「https://www.coindesk.com/web3/2022/11/02/instagram-users-will-soon-be-able-to-mint-and-sell-nfts/」
- the Guardian「NFT sales hit 12-month low after cryptocurrency crash」
- Forbes「NFT market worth $231 billion by 2030: Report」
- Grand View Research Press Room「Non-fungible Token Market Size Worth $211.72 Billion By 2030」
- Decrypt「Nike Launches .Swoosh Web3 Platform, With Polygon NFTs Due in 2023」
- Cointelegraph「Nifty News: Porsche 911 NFTs, BMW files Web3 trademarks, Baby Shark’s NFT game and more」