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テレビCM経由のユーザーはLTVが高かった!「にゃんこ大戦争」のAdjust活用事例

 昨今、アプリマーケターの間でテレビCMの価値が見直されている。背景にはプライバシー保護の強化にともなうトラッキングの規制や、コネクテッドテレビの台頭があるという。そんな中、アプリ計測プラットフォーム「Adjust」を提供するAdjustはビデオリサーチと連携し、地上波テレビCM経由のインストールを計測・分析可能にする新機能をリリースした。本稿では、両社が連携した背景を紐解くとともに、ゲームアプリ「にゃんこ大戦争」を運営するポノスの活用事例を紹介する。

テレビCMへの予算投下を検討するアプリ企業が増加

MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは自己紹介をお願いします。

佐々(Adjust):アプリ計測プラットフォーム「Adjust」を提供するAdjustにおいて、日本のゼネラルマネージャーを務めています。当社は2012年にドイツで立ち上がり、2014年に日本へ進出しました。日本支社は2023年で9年目を迎えます。

Adjust ゼネラルマネージャー 佐々直紀氏
Adjust ゼネラルマネージャー 佐々直紀氏

佐々(Adjust):Adjustでは、流入元別のユーザー数や継続率、LTVを計測できます。現在日本で約800社の企業様にサービスを提供しており、主要アプリのほとんどにAdjustが使われています。

山科(Adjust):同じくAdjust Japanで、シニアカスタマーサクセスマネージャーを務めています。ポノス様をはじめ、主に既存のお客様のサポートを担う役割です。アプリマーケティングの支援に携わって約5年が経ちました。

Adjust シニアカスタマーサクセスマネージャー 山科香絵氏
Adjust シニアカスタマーサクセスマネージャー 山科香絵氏

池田(ビデオリサーチ):テレビ視聴率などのメディアデータを提供するビデオリサーチにおいて、企画推進を担当しています。DX化されていくメディアや広告に対し、新しい価値を提供することが我々のミッションです。

ビデオリサーチ 執行役員 企画推進ユニット ユニットマネージャー 池田宜秀氏
ビデオリサーチ 執行役員 企画推進ユニット ユニットマネージャー 池田宜秀氏

菊地(ポノス):スマホアプリを運営するポノスで、2022年11月に10周年を迎えた「にゃんこ大戦争」のマス/デジタルプロモーションを担当しています。デジタルチームではリーダーを務めています。

ポノス マーケティング室 デジタルマーケティング局 リーダー 菊地陽香氏
ポノス マーケティング室 デジタルマーケティング局 リーダー 菊地陽香氏

MZ:Adjustとビデオリサーチは2022年7月に連携を行い、地上波テレビCMのモバイルアプリインストールへの貢献と、その後のユーザーLTVをアプリ計測プラットフォームAdjustで分析できるようにしたそうですね。連携の背景を教えてください。

佐々(Adjust):2021年4月のATT(App Tracking Transparency)発動以前から、「正確なデータが取りづらくなるのではないか」という懸念や「マーケティング予算をどう振り分けていくべきか」という議論がアプリマーケターの間で持ち上がっていました。この議論を通じて、テレビCMへの予算投下を検討するアプリ企業が増え始めたのです。Adjustでは以前から「CTV AdVision」というツールを提供しているのですが、アメリカを中心としたコネクテッドテレビ市場の盛り上がりも連携の背景にあります。

テレビCMの強みは圧倒的な速度とボリューム

佐々(Adjust):テレビCMの価値が改めて見直される中、Adjustというプラットフォームの網羅性を高めたい考えがありました。どういうことかというと、両社の連携前はAdjustの計測データとビデオリサーチさんが提供するテレビCMの放映データを、手動で突き合わせて分析するお客様が多かったのです。このような手間を軽減し、計測可能な範囲を拡げるために連携を行い、地上波テレビCMのモバイルアプリインストールへの貢献と、その後のユーザーLTVを計測する「テレビCM効果計測機能」の提供を始めました。

MZ:テレビというメディアに精通した池田さんのお立場から、改めてテレビCMが持つ特徴と強みを教えていただけますか。

池田(ビデオリサーチ):テレビCMが持つ最大の特徴は、圧倒的な速度とボリュームです。商品やサービスのコアなファンだけでなく、ライトユーザーやノンユーザーにも短期間で認知してもらえます。

 デジタルマーケティングの台頭にともない、テレビCMをはじめとするマス広告は「インパクト重視で費用対効果を可視化しづらい」と思われがちですが、実際には様々なアプリ企業がテレビCMの出稿を通じて新規ユーザー数やインストール数の伸長に取り組まれています。

 Adjustさんと当社の連携によって、アプリ企業のKGI(経営目標達成指標)に関わる数値を非常に大きなボリュームで出せるようになりました。テレビCMの価値を改めて見直していただける機会になったと感じています。

テレビCMのアプリへの効果計測についてご興味を持たれた方、サービスの詳細や無料のデモをご希望の方はAdjustの公式サイトまでお問い合わせください。

従来の測定方法では「インストール後の動きが見えない」

MZ:ポノスでは、にゃんこ大戦争のプロモーションの一環でテレビCMを出稿しているとうかがいました。Adjustの新機能を活用する以前は、テレビCMの効果をどのように測定していたのでしょうか。

菊地(ポノス):デジタル広告だけではリーチできる範囲がどうしても限られてしまうため、当社ではテレビCMもマーケティングに活用しています。これまではプロモーションパートナーや調査会社の協力を得ながら、テレビCMを放映している期間と放映していない期間のインストール数を比較して効果を導き出していました。

にゃんこ大戦争
にゃんこ大戦争

菊地(ポノス):従来の方法ではアプリインストール後のユーザー動向が見えないため、継続率やLTVの把握に課題がありました。また、当社ではキャンペーン期間中にテレビCMを放映するケースが多いため、インストール数の増加がテレビCM由来なのかキャンペーン由来なのかを特定しにくかったのです。テレビCMの純粋な効果がわかれば投資判断がしやすくなると考え、Adjustの新機能を活用することに決めました。

テレビCM経由のユーザーはLTVが高かった

MZ:2022年11月中旬~12月下旬と年末年始に、にゃんこ大戦争の10周年キャンペーンを告知する目的でテレビCMを放映し、その効果をAdjustの新機能で計測されたそうですね。

菊地(ポノス):当初の目的である「アプリの継続率」「ユーザーのLTV」を分析するため、オーガニックやデジタル広告経由のユーザーと、テレビCM経由のユーザーを比較しました。さらに、テレビCM経由のユーザー群でも「放映地域」や「番組カテゴリー」といった切り口で継続率やLTVを可視化しました。自社ではなかなか手が回らない分析データのレポート化や、悩みがちな分析軸の設定をAdjustさんにサポートしていただきました。

MZ:Adjustの新機能を活用した結果、どのような示唆が得られたのでしょうか。

菊地(ポノス):オーガニックやデジタル広告経由のユーザーに比べて、テレビCM経由のユーザーはLTVや継続率がやや高い傾向にありました。「普段テレビは視聴するが、デジタル広告はあまり見ない」というユーザーに届いていると考えています。

山科(Adjust):元々にゃんこ大戦争は、継続率が非常に高いタイトルなんです。継続を促す仕組みがゲーム内に数多く仕掛けられています。

菊地(ポノス):40~50代の方が多く視聴されるニュース番組系の放映枠で獲得率が高かったのは意外でした。Adjustさんの新機能を活用しなければ得られなかった新たな示唆と言えます。

アプリをビジネスのグロースに取り入れたい方におすすめです!

アプリマーケティングを効率的に行い、質の高い顧客を増やすため、Adjustが各キャンペーンの効果測定と最適化をサポートします。ユーザーデータを保護するソリューションやアナリティクス機能、オートメーション機能も提供。日本のスタッフがお客様の成功をきめ細かくサポートします。本記事でAdjustに興味を持たれた方は、Adjustの公式サイトからお問い合わせください。

Adjustで投資判断のための材料が揃う

MZ:Adjustの新機能を活用してみて実感したメリットを教えてください。

菊地(ポノス):投資判断に活用可能なデータを得られた点は大きなメリットです。オーガニックやデジタル広告経由のユーザーと比較しながら効果を計測できる点もありがたいですね。新機能の追加によるUIの戸惑いが全く生じず、使いやすいところもポイントだと思います。

Adjustの管理画面(サンプル)
【クリック/タップで拡大】Adjustの管理画面(サンプル)

山科(Adjust):従来の管理画面に「Video Research(TVCM)」のタブが追加され、ほかのデータと同じように一覧できるUIとなっています。放映地域や番組名、クリエイティブ別にデータを見ることも可能です。

MZ:Adjustの新機能を使ってテレビCMの効果計測を行いたい場合、具体的にどのような手続きを踏めば良いのでしょうか。

山科(Adjust):既にAdjustを利用されている企業様の場合、ビデオリサーチさん用とAdjust用の申込書に署名いただくだけで新機能を追加できます。追加したからといって、Adjustに別途固定料金をお支払いいただく必要はありません(※)。管理画面でトグルをオンオフするだけで表示を切り替えられます。

※ビデオリサーチへの支払いは別途必要

休眠ユーザーへの効果測定も目指す

MZ:最後に、各社の展望や読者に向けたメッセージをお願いします。

菊地(ポノス):にゃんこ大戦争は2022年に10周年を迎えました。この先も国内外を問わず多くの方々から愛されるIPに成長させていきたいです。私個人としても、にゃんこ大戦争のプロモーション担当として成果につながる施策を模索していきます。

池田(ビデオリサーチ):繰り返しになりますが、テレビCMの強みは圧倒的な速度とボリュームにあります。非常に大きな単位でアプリユーザー数の増加を狙える手法なのです。今回の連携で、テレビCMの効果や価値を明確にできました。Adjustさんの新機能を活用いただくことにより、数値化できる要素は格段に増えるはずですから、ぜひ活用ください。

山科(Adjust):既にテレビCMを出稿されている広告主様にも、まだ出稿されていないお客様にも、Adjustの新機能を活用いただけるよう活動していきます。データが蓄積されることでインサイトを正確に可視化でき、より有益な判断材料を提供できるはずです。効果の高いテレビCMの放映枠がわかれば、番組の指名買いもできますよね。

佐々(Adjust):ビデオリサーチさんとは引き続き、データの拡充に取り組んでいきたいです。また、アプリをインストールはしているものの、しばらく起動していない休眠ユーザーに対するテレビCMの効果についても、なるべく早く計測できるようにしていきたいです。

佐々(Adjust):最近はデジタルを中心に打ち手を考えるアプリマーケターの方が多いかもしれませんが、Adjustとしては「テレビCMもアプリインストールに効果的である」ということをマーケットに広め、皆様に新機能を活用いただくことで市場を活性化していきたいと考えています。

Adjustは世界のマーケターに活用いただいています。Adjustの活用事例は公式サイトからご覧ください。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/03/10 10:00 https://markezine.jp/article/detail/41172