官民学が連携し、サステナブルな応援グッズを製作
平地:竹クラーベに関する詳細をうかがいたいのですが、どのような流れで取り組みを行ったのでしょうか。
友村:周南市の方々、レノファ山口の社長を含む職員の方々、サポーターの方々、そしてトクヤマの社員で竹を伐採するところから始めました。1回当たり30本近くを伐採し、竹クラーベ1,000セット分の量となりました。
伐採した竹は、徳山商工高等学校の野球部とサッカー部の生徒さん、レノファ山口の選手とともに竹の加工、熱処理を行い、周南市の竹勇銘尺八工房さんに協力のもとレノファ山口と周南市シティープロモーション、トクヤマのロゴマークを刻印して竹クラーベを作りました。
完成した竹クラーベは、試合日に行われた「周南市サンクスデー」という催し物の中で観客の方に配布しました。また、竹クラーベにシールを貼ったり、色を塗ったりしてカスタマイズできるようにしました。

平地:竹クラーベはどのくらいの数を配ったのでしょうか。
友村:これまでに1,000セット以上配布してきました。使用済みの竹クラーベは回収して竹チップにして、バイオマス燃料として発電に活用する方法も現在検討しています。
社内外からも好評、採用にも貢献
平地:今回の施策を通じて、どのような成果が得られましたか。
友村:竹クラーベを通じた活動が社内に認められ、正式にレノファ山口のパートナーになったことで、地域の方々とトクヤマの接点が広がったのは大きな成果だと考えています。
私たちはBtoB企業で直接地域の方とつながることが難しい中、スタジアムでの配布を通じてトクヤマの社名や現在発電で行っている取り組みなどを認知してもらうきっかけが作れました。これをトクヤマ単体で発信していくのは難しく、ここまでの広がりが作れなかったはずです。
また、採用観点でも高校生などと一緒に取り組んだことで「トクヤマに入社したい」という学生の方も増え、実際に入社試験を受ける方も出てきました。
初田:今回PSI賞を受賞した以外にも、日本トップリーグ機構でJリーグと環境省の取り組み事例として紹介いただいたり、他の企業から「SDGsに関する取り組みとして参考にしたい」とお声がけいただいたりと大きな反響がありました。この取り組みがきっかけでテレビをはじめとした各種メディアの露出も増えました。