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WAUは3,000万突破&21日間Twitterトレンド入り!ABEMAのW杯生中継のプロモーション


 新しい未来のテレビ「ABEMA」の開局史上最大のトラフィックを獲得し、試合が行われた23日間のうち21日間でTwitterトレンド入りを記録した、ABEMAの「FIFA ワールドカップ カタール 2022」(以下、W杯)全64試合生中継。本記事では、W杯の話題化に向けてABEMAが行ったプロモーション、Twitter活用の裏側について振り返ります。

ABEMAのすべてを詰め込んだチャレンジ

MarkeZine編集部(以下、MZ):最初にABEMAがW杯の全64試合を無料生中継した背景を教えてください。

野村:W杯の放映権取得に関しては、ABEMAを共同事業として運営しているテレビ朝日さんから2021年の後半にお話をいただきました。

 ABEMAでは将棋や麻雀、格闘技の生中継を通じてノウハウを蓄積してきたこと、サイバーエージェントグループ全体として業績の後押しがあったことから、今なら挑戦権があるのではないかと、放映権の獲得を決断しました。

株式会社サイバーエージェント 執行役員 宣伝本部長 野村 智寿氏
株式会社サイバーエージェント 執行役員 宣伝本部長 野村 智寿氏

MZ:今回の生中継ではどのようなことを意識していたのでしょうか。

野村:意識したのは、W杯の中継で日本全体を盛り上げていくこと、ABEMAの価値を多くの方に感じていただくことです。W杯は、公共財に近いものがあります。ABEMAはメディアとして、日本の皆さんにW杯を楽しんでいただくこと、日本のスポーツ界を盛り上げること、そして、日本のサッカー界がより発展するよう貢献できることがあると考えていました。

 一方で、事業の中長期的な成長も意識しなければなりません。そのため、ABEMAでの視聴体験が良いものであると感じていただく必要もありました。

 この2つが体現できるよう、ABEMAでは、「すべてをみせるときがきた」というキャッチコピーを掲げました。このコピーには、64試合すべてを見せる、サッカーにかける選手たちがすべてを見せる舞台である、そしてこれまでABEMAが培ってきた経験すべてを見せる、という3つの想いが込められています。

コアからライトに広がるコミュニケーションを

MZ:今回の全64試合生中継に合わせ、どのようなプロモーションを行ってきたのか教えてください。

野村:まず、全64試合を無料で生中継し、見たいと思うすべての方にW杯を楽しんでいただけるようにしました。加えて、マルチデバイスへの対応、生中継や見逃し配信、ハイライト映像の制作など、日本の全国民が「W杯を楽しみたい」と感じた瞬間にすぐ視聴できる環境を構築していきました。

 その上で、いくつかのペルソナを設計して、各ペルソナに近いターゲット層へ向け、最適なタイミングとタッチポイントを選択してプロモーションを行いました。

 たとえば、快適な視聴環境で見ていただくために『~すべてをみせるときがきた~「最高の視聴環境プロジェクト」』と題し、『キャプテン翼』とコラボレーションしたABEMAの視聴環境に関する説明動画を制作しました。また、家電量販店のテレビ売り場や、ストリーミングデバイスを提供している各メーカーとの連携も強化し、あらゆるデバイスで視聴できることを訴求してました。

 また、デジタルでは各種SNSでのコミュニケーションに力を入れました。特にTwitterは、スポーツの生中継という瞬間的に生まれる熱量を活かせるプラットフォームなので、優先度を高くして施策を行いました。

MZ:デジタルのプロモーションに携わっていた若林さん、SNS施策を担当していた吉田さんに伺います。今回の施策で意識していたことを教えてください。

若林:意識していたのは、W杯本番に向けて、ユーザーの熱量をどう高めていくかということです。サッカーに対してコアなファンもいれば、ライトなファンもいます。日本全体をサッカーで盛り上げるためには、まずコアなユーザーの熱狂を生み、その熱をライトな層へ広げていくことが必要だと考えました。

株式会社サイバーエージェント マーケティング戦略室 室長 若林 真悟氏
株式会社サイバーエージェント マーケティング戦略室 室長 若林 真悟氏

吉田:Twitterは情報のリアルタイム性が重視されるプラットフォームで、ユーザーの声が伝播しやすい拡散力も持ち合わせています。コアなファンからライトなファンに熱狂を伝播させる役割として、Twitterは最適でした。

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/03/30 12:38 https://markezine.jp/article/detail/41606

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