コメント連携機能で熱狂のループを作る
MZ:W杯期間中Twitterでは、「ABEMA」もしくは「ABEMAでFIFAワールドカップ」という言葉が、試合が行われた23日間のうち21日間でトレンド入りを記録しました。この裏には、どのような話題作りがあったのでしょうか。
吉田:21日間のトレンド入りに貢献した取り組みの一つとして紹介したいのが、「ABEMA」のTwitter連携コメント機能です。この機能は、ABEMAを視聴してお気に入りのシーンに出会った際、その部分をクリップしてコメント付きでTwitterに投稿できるものです。
そのツイートを見たユーザーは、Twitter上でいいねやリツイートをしたり、ABEMAでTwitter連携コメント機能を使ったりしていくため、熱狂のループが生まれていきました。
MZ:Twitter Japanの髙田さんと久保さんは、ABEMAでの施策に関してどのようなサポートを行ってきたのでしょうか。
髙田:ABEMAさんとはTwitterを用いたマーケティング戦略の提案およびディスカッションを行いつつ、Twitter連携コメント機能など、プラットフォームとしての連携について議論を行い、またプレミアムコンテンツ提供のパートナーシップに関しても協業しました。
久保:映像エンタメ系のアプリやサービスで、アプリ側に投稿したコメントをリアルタイムでTwitterに連携してコメントをツイートと連携する機能は私の知る限りではグローバルでも、ABEMAとしか実装していない機能なんですよね。それだけ、Twitterのタイムラインを通じてユーザーにリアルタイムの映像を届けることは有益だと考えているんです。
また今回は、早期に連携の相談をいただけたことで、過去のW杯のツイートやユーザー像などを細かく分析でき、様々な施策につながるご提案ができました。
ユーザーの声を反映させたブランド絵文字
MZ:ABEMAの生中継では、本田圭佑さんの解説が印象的でしたし、Twitterでも話題になったと思います。なぜこのキャスティングを?
野村:本田さんには今回、ABEMAのW杯のゼネラルマネージャーに就任していただきました。代表の藤田が元からの友人だったこともあり、お声がけさせていただきました。初めてW杯の生中継をするので、国民の多くの方が知るサッカー関係者の方に携わっていただく必要があると思っていました。
その納得感を考えた際に、本田圭佑さんにプロジェクトのゼネラルマネージャーを務めていただくのが最適だと考えたんです。
本田さん自身も「解説の経験はない」とおっしゃっていたので、どうなるかわかりませんでしたが、まさかここまで話題になるとは想像以上の反響でした。
吉田:初戦で日本が勝利した際に、勝利と同じくらい本田さんの解説が話題となっていて、「何かできないか」と試合終了直後に現地・カタールの社員と会話をしました。そして翌朝にはTwitterさんともミーティングをして、ブランド絵文字を実装していただけないかとお願いしたんです。
そこからイラストレーターにお願いして、素材を作成し、なんとか日本代表の3試合目に間に合わせることができました。結果として、試合開始直後から、本田さんのブランド絵文字がトレンド欄に並ぶという、非常におもしろいトレンド欄を実現することができて、盛り上がりを日本中により伝えられました。
髙田:素材があるとはいえ、グローバルで見てもこのスピード感は例のないものでした。
しかしABEMAさんと我々がチームとして団結していたことや、そのときのTwitterの盛り上がりを見てグローバルからの承認が下りたことで、類を見ないスピードでの実装ができたんです。
野村:他にもユーザーからの声を受けて、次の試合からマルチアングルのカメラの撮影位置を変更するといった対応も行いました。とにかくユーザーに楽しんでいただくために、声を聞いて反映させる。そんなことを積み重ねていった、まさにABEMAの集大成といえるプロジェクトでしたね。
