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MarkeZine Day 2023 Spring(AD)

最適なMAツール活用で、メールマーケティングの勝ち筋を見つける!ツール選定の3つのポイントを解説

 メールマーケティングにおいて、MAツールは成果を向上させるためのカギになり得るが、導入にあたりいくつかポイントを押さえる必要がある。MarkeZine Day 2023 Springではプレイドの冨里晋平氏が、メールマーケティングにおいて有効な「行動データによるセグメント分け」について解説。それを踏まえ、MAツール選定におけるポイントを紹介した。

BtoC企業におけるメールマーケティングの悩み

 プレイドでMAツール「KARTE Message」の事業責任者を務める冨里氏は「MAを使うことで、仕事がもっと楽しくなります」と前置きし、はじめにMA導入を検討する顧客が抱える課題やニーズについて以下の3つを挙げた。

1.メール配信の効果の向上:一斉配信をしているが、よりパーソナライズさせたい
2.複数のマーケティングツールの統合:サイト解析やWeb接客ツールなど複数のツールを統合したい
3.MAツールの乗り換え:MAツールはすでに導入しているが、効果が上がらないため別のものに乗り換えをしたい

 同セッションでは、特に多い1つ目の課題にフォーカス。まず前提として、メールマーケティングの役割は大きく分けて3つある。1つ目が「情報を届ける(開封)」、2つ目が「サイト/アプリに来訪してもらう(クリック)」、そして3つ目が「購入してもらう(コンバージョン)」だという。

プレイド KARTE Message 事業責任者 冨里晋平氏
プレイド KARTE Message 事業責任者 冨里晋平氏

 メール施策というと、開封率やクリック率向上の話題が上がりがちだ。その数値をあげることが、効果を上げることとイコールなのだろうか。冨里氏は、そもそもメールマーケティングの目的は「ユーザーの行動を変化させること」だと指摘。今までサイト来訪や購入をしなかった人に行動を促すため、どのように施策を打つかが重要だと述べた。

 しかしパーソナライズのためといって闇雲に顧客を分類するだけでは、施策の効果は見えず、当然向上にもつながらない。

 そこで有効なのが「セグメントをユーザーの属性ではなく、行動データをもとに分ける」ことだ。メールの効果、すなわち送信前後のユーザーの行動の変化を捉えるためには、性別年齢といった属性ではなくサイト来訪や購買の有無などの行動データをもとに分類することがカギになると冨里氏は語った。

行動データでユーザーをセグメントに分けるメリット

 ユーザーの行動データをもとにセグメントに分けるためには、まずユーザーの行動を整理することから始める。「初めて来訪したのか、商品詳細を見たのか、会員登録をしたのか、購入したのか、とユーザーの行動の流れを一直線に整理します」と冨里氏。

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 まず行動で分けることが重要で、そこからさらにパーソナライズさせるなら属性情報(たとえば都道府県や年齢)を元に細分化。メールのタイトルや本文を最適化すると良い、と冨里氏はアドバイスした。

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 このように顧客を行動から分けていくメリットには、「施策のゴール達成が明確になる」「施策の重複配信を防ぐ」の大きく2つが挙げられる。前者について、たとえば「サイト来訪者を増やしたい」という目的でメールを送る場合を考えてみよう。「直近で来訪している人」「しばらく来訪していない人」が混在するリストに対して一斉にメール配信すると、「施策によって、来訪していなかった人が来訪するようになったのか」が判断できない、もしくは判断が困難になってしまうだろう。

 しかし、先に行動のステージで分けておけば効果を明確にしやすくなるのだ。冨里氏は「その後に属性ごとにクリエイティブメールのタイトルや文面を分ける方法が良い」と語った。

事例から見る、行動ステージの分析方法

 では、行動のステージをどのように分けるべきなのだろうか。冨里氏は事例として、人材サービスにおけるマッチングプラットフォームのケースを解説した。

 まず考えていくにあたって重要なポイントは、「ある行動をした人/していない人」で区別をすることだ。それを踏まえ、各行動ステージにいる人の行動を変化させることを目指す。人材サービスの場合は「マッチング数を増やす」ことが目的となり、KGIは「面談数」になる。しかし、いきなり面談数を増やそうとするのはハードルが高い。

 そこで冨里氏は、面談に至るまでの求職者の行動を「レジュメを書く」「スカウトを受け取る」「スカウトを開封」「スカウトに返信」「面談の日程調整」の5つのフェーズに分割。これに対して、人事担当は「求職者を検索」「求職者を選ぶ」「スカウトを送る」「返信を確認する」「面談候補日を提案する」フェーズを経て、面談に進んでいく。このように行動に着目して分けていくと、誰がどこにいるのか、どこで止まっているのかなどが明確になるのだ。

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 冨里氏によると「レジュメを書く」段階で詰まってしまう求職者は多く、また人事側にも「自分たちが欲しい人材をどのようなワードで検索すれば良いかわからない」などの課題がよくあるという。

 そこで同事例では「スカウトを受け取っていない人を、スカウトを受け取る人に変える」ことにフォーカスを絞って施策を検討。その結果、目標である「面談数増加」の数歩手前の段階である「スカウト自体の総量を上げ、スカウトを受け取ることができるユーザーを増やしていくこと」をゴールに設定したという。

行動に基づくセグメント分けの手順とは

 求職者に対し、スカウトを受け取る行動を発生させるためには、当然企業側からスカウトを送る必要がある。つまり人事担当に求職者を選んでもらうフェーズが発生し、そこで送り先を検索・選定してもらわなければならない。

 そこで「一定期間スカウトを受け取っていない人」をグループ分けした。さらに「企業側の検索結果一覧に表示されない人」「レジュメの詳細を見ていない人」「詳細を見ているがスカウトが送られない人」の3グループに分類し、対策を打ったという。

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 たとえば「企業側の検索結果一覧に表示されない人」には、企業がよく検索しているキーワードを共有。求職自身が該当するキーワードがあれば、レジュメにその文言を追加するように促した。また「詳細を見ているがスカウトが送られない人」には、レジュメのブラッシュアップ方法などのヒントを送ったという。

 その結果、スカウトを受け取る人が増えたといった効果が出始めた。最終的には、1ヵ月間スカウトを受け取っていない人をセグメントに分け、それぞれ最適化されたテンプレートのメールを送るアクションを自動化させることに成功した。

行動データを活用し、5つの手順でグロースする

 冨里氏は、ユーザー行動を活用したサービスのグロースの流れを次の5つの段階に分け、解説していった。

1.ユーザー行動の整理
2.ユーザー行動の分析
3.施策の準備
4.施策実行
5.自動化

 「1.ユーザー行動の整理」は比較的容易に行えるが、「2.ユーザー行動の分析」は、行動ステージを分けて各ステージの人数を把握してからn1分析をするなど、やるべきことのハードルがある。前述の人材サービスの例では、スカウトを受け取った人が少ない場合は「どんな人が受け取っていないのか」の部分を特に深掘りしていった。

 その後は「3.施策の準備、4.施策実行、5.自動化」のフローへと進めていく。最も難所になるのは、「2.ユーザー行動の分析」だ。

 「メール配信で取得できるユーザーの行動データは、開封やクリックのみと少ないです。マーケティングのレベルが高度になるほど多くの行動データが必要となりますが、それらはほぼすべてがサイトやアプリ上に存在します」(冨里氏)

 行動データをさらに取得していくためには、メールにとどまらずサイト・アプリ上のユーザーの行動データを把握する必要がある。そこで、MAツールの出番だ。

メールMAツール選定における3つのポイント

 冨里氏が示したサービスグロースの流れにおいて、MAツールは大半をカバーできる。具体的には、2~5までの段階(※仮説立てを除く)と、ほとんどの対応が可能だ。さらに、ユーザーの行動データとそれを活用するMAツールに加えて、施策を実行する人材も必要となる。

 「仮説を立て、施策を短期間に数多く回すことで、負け筋に気づいて勝ち筋を見つけることができます。仮説検証の確度を高める経験を積むことは、個人の成長にもつながると思います」(冨里氏)

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 高度な人材については外部採用か社内人材の育成かを判断しなければならないが、冨里氏は「MAツールを使いながら社内の人を育てるほうが、確実で速い」と述べた。プレイドの提供する「KARTE」を導入している顧客でも、1年目の新卒社員がツールを使いながらマーケティングの基礎を学び、負け筋に気がつき勝ち筋を見つけて成果を出している事例が多く見られるそうだ。

 これらを踏まえて冨里氏は、MAツール選定のポイントとして以下を挙げた。

1.ユーザーの行動データの管理/集約ができるか
2.仮説からアクションまでのスピードアップにつながるか
3.勝ち筋の施策を自動化できるか

 そしてこの3つについて、ツールを使って現実的にマーケターが実行できるのかが重要になってくる。

 最後に冨里氏は「KARTE」についても紹介。「KARTE」は、ファーストパーティの顧客データを統合し、活用できるCX(顧客体験)プラットフォームだ。

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 「皆様のサービスにある様々なユーザーの情報を、リアルタイムに顧客軸で分析して、あらゆる接点で活用できるサービス」であると冨里氏は説明し、「自社のサービスにどんな人が来ているのかがすぐにわかるようになるので、サービスの改善や事業成長につなげることができる」というメリットを強調し、同セッションを締めくくった。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社プレイド

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MarkeZine(マーケジン)
2023/07/24 14:25 https://markezine.jp/article/detail/41903