第三者が客観的に語る、情報銀行の価値とは?
情報銀行ビジネスはまだこれからというのが現状。その中でDprimeにはどのような価値があるのだろうか。このDprimeの価値に関して、第三者の立場から村岡氏が語った。
「Dprimeユーザーの満足度は高く、7割以上のユーザーが満足しています。利用理由を見ても金銭的な理由だけでなく、信頼できる会社が運営していることも評価につながっていることがわかりました。安心安全のデータ管理には、銀行で養ってきた知見が使われていることが信頼につながっています」(村岡氏)
属性をさらに細かく見てみると、消費者庁の基本調査と比較しても消費に前向きといった特徴がある。
Dprimeの会員属性は、年収帯や食や購買についても前向きな点からも、高付加価値な顧客理解の調査に適していることが判明した。
「今後の期待として、アンケート機能の拡張や三菱UFJ信託銀行ならではのソリューションの拡充、情報銀行のリーディングカンパニーとして、本業へのインパクトも含めた情報銀行サービスの在り方の模索が期待されます」(村岡氏)
九州電力がブランド力向上に向けて定めた3つのサイクル
続いて、いち早くDprimeを活用している企業事例として、九州電力の事例が紹介された。九州電力グループは電力を主軸の事業として、ICTサービス、都市開発や新規事業、インフラサービスなどを行っている。本セッションに登壇した矢野氏は、都市開発事業本部に所属し、不動産、住宅の領域を担当している。
今後九州電力では、新築マンションの高付加価値化を目指す予定だ。そのためにはブランド力の向上が必要になる。
このブランド力を上げるために九州電力は、土地や資材の仕入れ力の強化、販売力の強化、入居後の価値向上という3つのサイクルを回そうとしている。しかし、そこにはあらゆる課題がつきまとう。たとえば立地一つとっても、良い土地であるかどうかが集客力や販売単価、購入率などの販売力に影響してくる。また、仮に良い土地で良い設備のマンションが建てられたとしても、その分高額になり、購入できる生活者も限られてくる。
そして重要なのは、これらの付加価値によって発生するメリット・デメリットを理解し、ターゲットが真に求めている価値を適切に取捨選択することだ。九州電力はこの取捨選択の精度を上げるため、顧客分析に取り組むことを決断。そして、あらゆるリサーチサービスの中から、Dprimeの活用を決めたという。