営業・マーケティングの改革を続けるコニカミノルタジャパン
栗原:2020年にコロナ禍が始まって以来、BtoB企業の多くがマーケティングのデジタル化や営業DXに取り組み始めました。しかし具体的にどのようなプロセスでどんな成果が出たのかという情報はあまり共有されていないように思います。
栗原:実際のDXにどう取り組んでいるのか生の声をお聞かせいただきたいと思い、コニカミノルタで全社マーケティングを推進している富家さんお時間をいただきました。
まずは現在の役職とミッションについてお聞かせいただけますか。
富家:2022年10月に発足した「マーケティングセンター」という部署でマーケティング企画部の部長をしております。マーケティングセンターは、情報機器事業全体のマーケティングを担う組織で、広報宣伝部と合体する形で作られました。
マーケティングセンターに移る前は、マーケティングサービス事業部の中に作られたマーケティングチームに所属し、そこでマーケティング組織を少しずつ大きくし、機能拡充していきました。それらの取り組みをベースに、マーケティング機能を全社展開することになり、現在の部署に移ることになりました。
現在のミッションは、様々な事業を見て全社マーケティング機能を明確にし、事業部のマーケティング機能を強化していくことです。弊社は事業と営業組織が分離しており、基本的には事業部のなかに営業機能はありません。そこでマーケティングセンターが営業部と事業部のハブとなり、しっかりとワークしていくスキームを作っています。
なぜマーケティングの刷新が必要だったのか
栗原:なぜ全社で取り組んでいくことになったのでしょうか。
富家:元々は営業プロセスの改革とマーケティング推進のプロジェクトが進められていました。背景にあったのは、メイン事業の改革です。
コニカミノルタジャパンのメイン事業はオフィス向け複合機や印刷機の事業です。オフィス向けの複合機の場合、紙を印刷した分だけお金をいただくビジネスモデルなので、紙を印刷する機会が減っていっている今、利益を生み出すためには営業活動の効率化が必須でした。そこでマーケティング機能を強化し、営業プロセスそのものにメスを入れる取り組みが2017年からスタートしました。
栗原:新規事業を作るのではなく、マーケティングや営業の改革に注力されたのはなぜですか?
富家:新たな柱として新規事業を作るのはもちろん並行して進めていましたが、同時に、営業力を強化し、その体制をより筋肉質にしていくに重きを置いていました。そうして「マーケティングによるリードや商談機会の創出、インサイドセールスの導入を含めた営業プロセス改革を推し進めていこう」と全社の方針で決まりました。
具体的にはSalesforceとPardotを導入し、リードや商談、パイプラインを見える化し、データを使った売上予測や論理的な営業活動を展開していきました。