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時事イベントに見るスポーツマーケティング入門

【スポーツマーケ】松坂を60億と評価したセイバーメトリクス分析とは

松坂に60億の価値をつけた「セイバーメトリクス」という分析

 現代のスポーツはデータの勝負になっている。それを決定的にしたのは、米国メジャーのアスレチックスのGMビリービーンである(詳しくは『マネー・ボール』 参照)。ビリーは選手のパフォーマンスをほとんど見ないで、データのみで判断するといわれている。

 それもそれまでは「打率」「打点」「本塁打」だけだったのが、ビリーは「出塁率」を最優先した。「出塁率と得点と勝利」の関係をデータ化した結果である。そのデータを入力し、解析していたのが、当時MITの大学院生で、アルバイトに来ていたテオ・エプスタイン、つまり松坂獲得に60億円も支払った現在のボストンレッドソックスのGMなのである。

 ビリーやテオが開発した、「競技データ」の分析は、その後「競技」のみでなく、選手の年俸交渉や、獲得したい選手の「市場価値」にも利用されるようになり、その全体を「セイバーメトリクス(SABR Metrics)」と名づけられている。

 そして野球の世界に限らず、サッカーの世界にもそれは導入されている。おそらく、バレーボールなど、他の球技にも導入されているはずだ。北京五輪で番狂わせを起こすチームの裏に、頭脳明晰なデータ分析者が控えていた、などということがきっと起きるであろう。

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この記事の著者

広瀬 一郎(ヒロセ イチロウ)

1980年株式会社電通に入社。ワールドカップをはじめ、サッカーを中心とした団体スポーツのイベントを多数プロデュースする。1994年に「2002年ワールドカップ招致委員会」事務局に出向、1999年にはJリーグ経営諮問委員会委員就任、2期4年を務めた。豊富な経験に、スポーツにビジネス・メソッドの活用を訴える先駆的視点を持ち合わせた、スポーツマーケティング分野の論客。著書は『スポーツ・マネジメント入門』『「Jリーグ」のマネジメント』(ともに東洋経済新聞社)など多数。2008年、多摩大学・大学院教授に就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2008/06/27 11:00 https://markezine.jp/article/detail/4264

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