AI事業を手掛けるキャップジェミニの社内シンクタンク「キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュート」は、生成AIに関する消費者の意識についてソーシャル分析と検索分析を実施。調査レポートを公開した。
過半数が生成AIツールの利用経験あり
同調査では対象となる13ヵ国の消費者の過半数(51%)が「生成AIの最新トレンドを認知しており、生成AIツールを利用したことがある」と回答した。生成AIを頻繁に利用する消費者に満足度を尋ねると、「チャットボット」「ゲーム」「検索」で特に高いことがわかった。また、人間関係・人生設計・キャリア設計に関して生成AIのアドバイスを求めたいと回答した消費者は全体の3分の2(66%)を占める結果になった。
一方、サイバー攻撃やディープフェイクの可能性に対する、消費者のリスク認知度は低い結果だった。半数近く(49%)の消費者が、生成AIがフェイクニュースの作成に利用される可能性があることに関心を示しておらず、フィッシング攻撃を懸念する回答者は34%にとどまった。また著作権の問題に懸念を示した消費者は33%、競合他社の製品の設計や成分の複製に生成AIアルゴリズムが利用されるリスクを気にかけた回答者は27%だった。
日本人の72%が生成AIによるコンテンツを信頼
企業の顧客対応に生成AIの全面的な導入を求める消費者は半数近く(43%)となり、半数が没入型のインタラクティブ体験の可能性に期待していると回答。70%の消費者が新製品や新サービスを探す際に生成AIツールを活用しており、半数以上(64%)が生成AIツールが薦める商品の購入に前向きな姿勢を示している。なお年齢層による顕著な差はない。
加えて日本の消費者に対する調査結果を見ると、生成AIの最新トレンドを認知し利用経験がある消費者は57%となった。72%が生成AIによるコンテンツを信頼し、63%が生成AIの推奨に基づく購入に前向きな姿勢だ。さらに66%が、人間関係やキャリアプランについて生成AIツールのアドバイスを求めたいと回答した。
【調査概要】
調査対象:13か国(英国・米国・オーストラリア・カナダ・フランス・ドイツ・イタリア・日本・オランダ・ノルウェー・シンガポール・スペイン・スウェーデン)の18歳以上の消費者1万人
調査期間:検索分析は2022年4月~2023年3月、ソーシャル分析は2022年10月~2023年4月
データ集計ツール:Google Keyword Plannerデータ・Talkwalker・デスクリサーチなど
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