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花王廣澤氏が若手視点で聞く、これまでとこれからのマーケティング

「できない=恥ずかしいと思わないマインドが大事」俳優と経営者、2つの顔を持つ小林涼子さんのキャリア観

 花王のマーケター・廣澤祐氏が、業界で活躍しているキーパーソンと対談する本連載。今回は、俳優と経営者の2つの顔を持つ小林涼子さんのキャリアを振り返り、若手ビジネスパーソンに知ってほしいマインドやキャリアの考え方を探ります。

髪型1つでブランドイメージが変わる俳優の世界

廣澤:今回の記事では、「行動」と「継続」をテーマに俳優と経営者というパラレルキャリアを実践する小林さんのキャリア感や人生観について聞いていきたいと思います。まず、小林さんが現在俳優として目標としているところを教えてください。

小林:俳優としての目標として掲げているのは、ドラマに出演し続けることです。俳優は自らドラマを作るわけではないので、お仕事をいただけないと演技をすることができません。ご縁もありますが、オファーをいただいてもスケジュールの都合でお断りするケースもあり、何クールも続けてドラマに出続けるのは難しいのです。

 ありがたいことに2023年現在、8クール続けてドラマに出演することができているので、9クール、10クールと続けていけたら嬉しいですね。

株式会社AGRIKO 代表取締役 小林 涼子氏
株式会社AGRIKO 代表取締役 小林 涼子氏

廣澤:連続オファーをいただくこと自体がとても大変なことだと思いますが、オファーが増えたきっかけや工夫としては何があったのでしょうか。

小林:髪を切ったことがきっかけかな。ホットママという作品の役作りで切ったのですが、それ以降自分がやってみたいと思っていた役のオファーが増えてきたんです。

廣澤:髪を切る前と髪を切った後の役だと、どのような違いがあったのでしょうか。

小林:髪を切る前は、事件に巻き込まれるなど暗くて不幸な役が多かったのですが、髪を切って以降は母親役や働く女性の役、元カノ役など様々な役を演じさせていただけるようになりました。

 良い商品やブランドもパッケージデザインをマイナーチェンジし続けていますが、俳優も同様に年齢に合わせた形で変化していく必要があると感じました。

廣澤:おっしゃる通り、我々のような製造業の扱うブランドが存続し続けるには、環境や消費者の変化に合わせてブランド自身も変化し適応していくことが求められます。俳優業は、俳優自身の継続的な努力によって蓄積された経験と、その経験を「役」に求められる形に変換して反映させる力が求められるという感じでしょうか。

20年以上俳優を続けられている理由

廣澤:俳優として活動を始めたのはいつからですか?

小林:本格的に演技をしたのは中学生が最初です。

廣澤:20年近く俳優を続けてらっしゃるわけですが、長く続けられている理由は何ですか?

小林:年齢や作品によって演じる役や求められる役割が変化しておもしろいからですかね。髪型一つでもオファーが変わってくるので、飽きないというのはあるかもしれません。

廣澤:俳優は世間の注目も浴びますし、俳優間での役の獲得競争も激しいのではないかと想像するのですが、その中でモチベーションを保つために何を意識していますか。

小林:もちろん同世代の俳優さんがいい役をやっていると羨ましいと思ったり、焦ったりしたこともありました。でも、自分で仕事を生み出せる職業ではないので、オファーをいただいたものに全力で取り組む。それだけは一貫して意識していました。

廣澤:目の前のことに全力で取り組むのは、ビジネスパーソンにおいても重要ですよね。社会人としての経験が浅く、まだできることが少ないにも関わらず、やりたいことがないと動けない、何者かになりたいという想いだけが先行して焦っている若手も多いように感じます。

 しかし、小林さんのように、まずは目の前のことに全力で取り組むことで得られるものや、行動することによって見えてくる次の段階というのがあると思います。

花王株式会社 DX戦略部門 事業DX推進センター 事業DXサポート部 データドリブンMK推進室 廣澤 祐氏

小林:私も「あの人みたいになれたら」と思うことはありましたが、実際に求められる役は違うし、人と同じようにやったところで上手くいくわけではありません。とにかく目の前のことをやり続けて今日まで来ました。

 先ばかり見ていたら不安も大きかっただろうし、早々にくじけていたかもしれないので、目の前のことに取り組むのは、俳優を続けられた秘訣かもしれませんね。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/08/30 08:30 https://markezine.jp/article/detail/43242

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