AIはまだまだ道具
――今回、社内で企画を作るというチャレンジもされました。その側面ではいかがでしょうか?
畠山:1万種類を達成するために、チェックフローを全員で作ったり議論したりしたことで、社内にノウハウや知見を残すことができました。チームとして一体感と、ある種の自信にもつながっています。学びも多かったので、次はこういうことをしたら良いのではないか、といった考えができています。この点は、目に見える以上の結果だと思います。
橋本:個人で画像を数枚生成して楽しむ分にはいいですが、多くの画像をクオリティコントロールして、生成したものを会社として責任をもって世に出していくのは簡単なことではないと実感しました。たとえば、エンジニアさんへ画像をフィードバックする際、すべてのプロンプトまではさすがに確認はできませんが、修正をお願いする場合はプロンプトのワーディングや、生成時の設定パラメータの数値の具体的な変更を伝える必要もありました。
そのような意味では、少なくとも現在のAIは道具だと実感しています。AIとの向き合い方や、AIをどう活用していくのかを考えることができた取り組みでした。

新しい「しなきゃ、なんてない。」を皆さんと作っていきたい
――最後に、今回の取り組みを受けて今後どのような活動をしていきたいか展望をうかがえますか。
橋本:新しい表現手法や技術に対しては、個人的にも興味があります。今後も新しい手法を積極的に取り入れながら、「しなきゃ、なんてない。」の概念や、多様性をいかに表現できるか・伝えられるのかトライしていきたいです。それが、LIFULLとしても積極的な姿勢を示すことにつながると考えています。このマインドは、短期中長期関係なく、ずっと持ち続けたいですね。
畠山:「しなきゃ、なんてない。」というコンセプトを発信し続けていくことが一つの資産だと考えています。一方、「しなきゃ、なんてない。」は、世の中の価値観に大きく影響を受けるものだと思っています。2018年と今を比べると、既成概念も変わってきていますよね。今、どういうものが既成概念になっているのかを理解し、アップデートしていくことが短期的な目標ですね。
中長期的には、LIFULLを知っていただいたお客様との関係性の強化や、コミュニティ創出に取り組みたいと思っています。そのためにも、潜在的な「しなきゃ、なんてない。」を議論して定義していけるような関係性を、生活者の方々と作っていければと思います。

