ターゲット層の獲得を目的とする、ブランドマーケティング
「ホットペッパービューティー」はヘアサロンやネイルサロン、エステサロンなどに行きたい生活者と、集客したいサロンをマッチングするサービスだ。同サービスを運営するリクルートの会津氏は、ブランドマーケティングの定義を「ターゲット層の認知や態度変容を促進することで最終的な獲得を目的とする施策」とした上で、その目的をホットペッパービューティーのビジネスモデルを絡めながら次のように整理した。
「美容院やエステなどのサロン様は新規のお客様の増加を期待し、ホットペッパービューティーに掲載します。リクルートはブランドマーケティングを通して、サロン様にとって新しいお客様を集め、価値提供を図る。サロン様にとっての新規顧客の数を最大化させることが、私たちのブランドマーケティングの目的です」(会津氏)
この目的を達成するため、テレビCMやWeb動画を通じてアッパー/ミドルファネル層の認知を拡大し、態度変容を促進していく。
ターゲットセグメントを決定する2ステップ
ホットペッパービューティーにおけるターゲットセグメントの決定は、2ステップで行われる。まずは、会津氏が「獲得白地と獲得実績の精緻化」と呼ぶ方法だ。これから獲得可能な余地のある白地ボリュームを把握するため、マーケットの母集団に対してジャンルと性別・年代別にセグメントを分類。それぞれの獲得実績を照らし合わせ、その上で白地がどれくらい残っているかを見極める。
次にステップ2として、未利用要因の深掘りを行う。定量・定性リサーチを通して、コミュニケーション上で解決可能な課題かを特定していく。コミュニケーションで解決可能な課題であれば、ターゲットとしての優先順位を上げる。
訴求内容の決め方については、会津氏は次のように語った。
「はじめに、自社サービスで提供可能な価値を言語化し整理します。機能や特徴を挙げるのではなく、抽象度を上げて提供できる価値を言語化することがポイントです。言語化できた価値のうちニーズが高く独自性があり、価値に対応した機能に課題がなく、KPIに定量的に寄与し得るものを精緻化し、訴求内容を決定します」(会津氏)
ホットペッパービューティーでは、3つのセグメントを優先的にアプローチしている。1つ目は社会人女性のヘア領域、2つ目は社会人男性のヘア領域、3つ目は高校生や大学生など若年層女性のヘア領域だ。各訴求内容に合わせたCMも使い分け、展開している。なおホットペッパービューティーではターゲットごとに担当者を立て、その担当者が戦略や計画立案、施策実行までを担っているという。