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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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探訪!時代をとらえ、成果につなげるテレビ活用術

ライフネット生命が目指す“テレビデバイス”としての効果最大化 CTVへの期待と地上波に残される価値


全世代に向けがちな地上波でもメッセージを曲げずに打ち出す

MZ:ライフネット生命は今年、開業15周年を迎えられたとのことで、複数の施策を展開していらっしゃいました。その概要を簡単にご説明ください。

肥田:X(旧Twitter)での「保険料見積りキャンペーン」や60秒CMクリエイティブの展開など、普段あまりしていない施策を行いました。ただ、大々的なキャンペーンを打つというよりは、15周年という節目に「当社が大事にしていることを再確認する動き」と言った方が感覚に近いですね。

 ライフネット生命の創業理念は「子育て世代の保険料を半分にして、安心して赤ちゃんを産み育てられる社会にしたい」というものです。そのため、「子育て世代の20~30代にもっとも選ばれる保険会社であろう」と、今一度理念に立ち返り、腰を据えるタイミングにもなったなと思います。

Webサイトより
23年7月より放映していた15周年のコミュニケーションCM(ライフネット生命の公式Webサイトより、2023年11月時点)

肥田:40代以上の人口比率が増えていく中では、ともすると、全世代向けの聞き心地の良い発信に傾いてしまいますし、オールターゲット向けの地上波で、特定年代向けにメッセージを伝えるのは非効率だと捉えられがちです。

 しかしそれでも、ライフネット生命にしか伝えられないメッセージがあるなら、それを一歩踏み込んで、しっかり打ち出していこうと考えました。ブランドマネージャーを中心に、クリエイティブ領域で新たな試みをしています。また、クロスメディア展開として、長らく行ってこなかったOOHの出稿にも挑戦しています。

マスとデジタルの相乗効果を最大化させる「人の距離感」

MZ:テレビCM出稿/運用に関して、Web施策などとの相乗効果を最大化するために工夫された点があれば、教えてください。

肥田:何か新しいことをするのではなく、マスとデジタルが分断されないことが大事だと思っています。たとえば、Web広告代理店側がマス広告に対して高い感度を持ってくれていると、「CM投下量によって社名検索数がこのくらい伸びた」などのフィードバックをいただけます。我々もサイトへの反響を丁寧に伝えることで、マスとデジタルの相関関係を探ることができます。このような相互コミュニケーションが、相乗効果を最大にするポイントだと考えています。

 同じ意味で、社内の担当者同士の距離感も大事にしています。同じ部内にいて、近距離で互いの数字を見合いながら円滑にコミュニケーションを取れる体制を整えている点が、当社の特徴ではないでしょうか。トップファネルの地上波CMの効果効率をふまえて、WEB広告側の数字やウェブサイトの数字を見るなどして、お客さまのジャーニーを意識した分析ができるようになります。それにより、マスとデジタルの掛け算が最大化できるので、マスとデジタルの掛け算が最大化できるというわけです。

MZ:貴社のテレビCMでは「2人の掛け合い」の型が印象的です。クリエイティブの面では何かこだわりはあるでしょうか。

肥田:これまで「わかりやすくて、安くて、便利」という機能訴求メインで、テレビCMを作ってきました。一般的に、申し込みまで時間がかかる保険商品を、わずか10秒の見積りで保険について考えて頂くきっかけを提供できるのが当社の強みだからです。それを30秒という短い時間で最大限に伝えるにはどうするかと追求していった結果、一番フィットしたのが「漫才スタイル」でした。人と人の会話なので表現力をあげることができるため、ポイントがグッと伝わるのだと思いますが、CMを見てすぐその場で見積りをしてくださる方がいらっしゃることは事実ですね。

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「認知や加入意向だけを見る分析は終わり」KPIは投資対効果が見える指標に

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/28 12:44 https://markezine.jp/article/detail/44217

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