ニールセンは、アジア地域のメディア状況に関する最新のデータを発表した。ニールセンのコンシューマー&メディア・ビュー(CMV)が示すデータでは、アジアにおけるデジタル・プラットフォームが急速に普及しており、視聴者の64%がストリーミング・ビデオ・サービスを選択していることが明らかとなった。
一方で、デジタルの需要が急増しているにもかかわらず、広告主は依然としてテレビに広告費を投入していることも判明した。2023年1月から10月にかけて、アジアのメディア業界には1,070億米ドルの広告収入が投入されたが、その大部分の68%をテレビが占めた。そしてデジタルメディアはそれに続く16%だった。
また、アジア全域でのスマートフォンの普及率は現在90%に達しており、メディア消費とインタラクションの習慣が変化していることを裏付けている。インドネシアとタイは、外出先でコンテンツを視聴する最大の二国で、スマートフォンでの視聴率はインドネシアが62%、タイ64が%となっている。
主要市場のインサイト
テレビの利用:
伝統的なテレビ視聴率は依然高い傾向が続き、台湾が98%で最大、次いでマレーシアが86%となっている。
インターネット利用:
韓国(98%)、台湾(98%)、マレーシア(95%)が他の地域をリードしている。
モバイル・ストリーミング:
アジア全域でモバイル・ストリーミングが急成長するなか、インドネシア(69%)とマレーシア(86%)が突出しており、いずれもストリーミング・サービスにおける巨大市場となっている。
テレビの視聴率とインターネットの利用率の間の格差は、アジア特有の動きとなっている。その一方で、インターネット普及率98%の韓国では、テレビの視聴率はいまだ97%と高い水準となっていることが分かった。
これらの結果を踏まえ同社は、アジア地域においてはマルチスクリーンでの視聴が既にスタンダートとなりつつあり、ストリーミング・チャンネルは今後もさらに増えていくと予測している。
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