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デジマ人材育成 5つの落とし穴と回避術

Z世代人材を最大限に活かすチーム作り リーダーが意識すべき四つのポイント

やるべき理由を先に伝えて、メンバーの思考の質を上げる

 二つ目に意識すべきことが思考の質の向上です。Z世代のメンバーの思考の質を上げるためにリーダーが意識すべきポイントは次の二つです。

1. 自分がチームに貢献できるというマインドを育てる

 リーダーから「あなたのアイデアや考え方がチームに役立つ」と伝えることで、メンバー自身が意欲的に発言できる空気を作ります。

2. WHYから解説すること

 メンバーに何か頼みごとを行うときに「WHAT(何をやるか)」だけを伝えてはいけません。自分ごと化ができず、パフォーマンスが下がってしまいます。「WHY(理由)」を明確に伝えることで、目的に対して自ら協力する思考を促し、パフォーマンスを向上させます。なお、このように対話や思考をWHYから始める重要性は、サイモン・シネック氏が提唱する「ゴールデンサークル理論」でも説明されています。

 WHYから解説することを事例に当てはめて考えてみましょう。ある企業のデジタルソリューション事業部では、「日々進化しているテクノロジーベンダーをキャッチアップして的確なソリューションを提案したい」という想いから、リーダー社員+Z世代の社員3名で、「テクノロジーベンダーマップの開発」を行う社内プロジェクトを立ち上げました。

 この時にリーダーが他の社員に伝えるべきことには、次の三つが挙げられるでしょう。

  • テクノロジーベンダーマップを使い提案の質を上げたい
  • このプロジェクトを全社に共有して全社の知識レベルを底上げしたい
  • Z世代のデジタルリテラシーが高い資質を見込んであえてお願いしたい

 依頼するプロジェクトの意義、達成することで得られることなどの未来の視点。それらを踏まえた上で「協力して欲しい」と語ることが重要です。

余計な不和を生まない、「スタンスルール」の策定

 三つ目が、メンバーが起こす行動の質の向上です。

 プロジェクトが進行する際、現場で実働するのはチームのメンバーたちです。そんな彼らに行動の質を高めてもらうために重要なポイントが二つあります。

 一つ目がリーダーはファシリテーターに徹することです。たとえば前述したテクノロジーベンダーマップ作成のプロジェクトだと、マップがどのように使われるかという考え方の軸やガイドラインの策定、下図の横軸に並んでいるファネルに当てはまるようにテクノロジーベンダーを整理するのは、コミュニケーション全体を俯瞰する必要があるリーダーの役割です。縦軸に配置するテクノロジーの項目についてはメンバーに任せます。

 プロジェクトの中で、リーダーは進行のサポートを行うスタンスとなり、各メンバーには選択肢が与えられて、決定権を持つ。こうすることで、メンバーのプロジェクト遂行のモチベーションが高まることでしょう。

 二つ目が、チーム内での認識のズレを調整するため、メンバー間で共通認識を持たせることです。特に社内プロジェクトは、他にメインでの実務を抱えながらの進行になります。そうすると、対応スピードの差などから、チーム内での不和が生じるといったことがあります。

 この解決のためには、チーム内での共通認識が重要になります。そこで使えるのが「スタンスルールを設定すること」です。具体的には次のようなものを決めると良いでしょう。

  • お互い実務を優先する
  • 週1回MTGを行う
  • 週に3~5時間はプロジェクトに時間を充てる
  • プロジェクト進捗は、Teamsで、各種データは、OneDriveに保管
  • 進行中の疑問点はすぐに聞く
  • プロジェクト名を決め、ロゴ化する

 このようにルールを作ると、無用なトラブルや行き違いが激減します。なおスタンスルールは、プロジェクト開始前に設定するのがおすすめです。

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あえて業務を絞ることで、結果の質を上げる

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この記事の著者

髙岡 直人(タカオカ ナオト)

株式会社Growthing 代表取締役

29年間電通グループのプロモーション専業会社である株式会社電通テック(現:電通プロモーションプラス)で統合プロモーションのプランニングから実装まで数百件の案件に従事。大手メーカーのオウンドメディア立ち上げやPDCAサイクルの構築などの経験があり、前職での実績として、デジタルマーケティング...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/02/29 08:30 https://markezine.jp/article/detail/44746

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