狙ってバズを起こせる「ごっこ倶楽部」
GOKKOは、実績・人気ともに日本一のショートドラマクリエイター集団「ごっこ倶楽部」を運営。総フォロワー数300万、トータル再生40億回、1億2,000万「いいね」獲得をしており、TikTokの縦型ドラマ部門ではトップの実績を誇る。
ところで縦型ショートドラマとは何か。中矢氏は「TikTokのアルゴリズムにマッチした、今Z世代に人気のフォーマット」だと解説した。
「たとえばダンス動画なら、うまいパフォーマンスであっても展開がないと2・3分でスキップされる可能性があります。一方でドラマはストーリーがあるので、オチが気になり最後まで視聴していただきやすいのです」(中矢氏)
GOKKOのドラマ制作チームは、企画から脚本・撮影・編集・投稿・分析までのすべてを自社にて一気通貫で実施。したがってクイックなPDCAを回しながらバズるコンテンツを作り続けられるのだ。TikTokのコンサル会社は多々あれど、企業がクリエイターとしてコンスタントにバズる投稿を続けているのは珍しい。
中矢氏はバズを作り続ける秘訣について、次のように話した。
「僕らが実績を出せるのは、アルゴリズムと照らし合わせて改善を続けているからです。1動画の平均再生数は300万回、すべてのカテゴリーで100万再生を越えています。経験と知見を得ることで、狙ってバズれるようになりました」(中矢氏)
TikTokでバズり続けるためには、日々変化するトレンドやアルゴリズムに対応し、コンテンツに落とし込んでいくことが重要だ。加えて「TikTokなのに泣ける」と言われるクオリティーにドラマを仕立てられていることも大きな要因になっているのだろう。
Z世代が、企業プロモーションを見やすい場はどこにある?
次に中矢氏はZ世代に向けた、これからの企業プロモーションのあり方について解説した。
情報が氾濫し広告を嫌う人が多い現在、そもそも広告を見ない選択肢がある中で、「これから重要視されるのはコンテンツマーケティング」だと中矢氏はいう。コンテンツとして面白いから手を止めて見るものをいかに作るか、この考えを軸に作っていくことが求められているのだ。
実際、Z世代のコンテンツ消費行動は、どのようになっているのだろうか。
10代・20代は可処分時間のうち多くの時間をデジタルに費やしている。「Z世代は、テレビ・動画ともに時間の長い視聴はしなくなってきている」と中矢氏。
真のデジタルネイティブであるZ世代は、倍速視聴やスキップ視聴、ながら視聴で動画を見る。いわゆるタイムパフォーマンス重視でコンテンツを消費しているのだ。実際にZ世代に聞いてみると「長い動画はストレスだ」「倍速視聴機能のない動画は見れない」との声もあり、「長い動画を見ないのではなく、見れない世代」になってきているのだと話す。
では、SNSマーケティングはどうか。
SNSマーケティングでは、広告費を投じればリーチや再生数は獲得できる。しかしユーザー嫌がられて逆効果となっているケースも多い。「数値で見たら効果がわかるはずなのに、効果的でない施策を続けてしまっている企業も少なくない」と中矢氏は指摘する。この嫌がられる要因として、興味のないコンテンツを強制して見なければならない時間が発生することにあるようだ。そのため、Z世代がストレスフリーとなるコンテンツの内容や届けるセグメントの吟味がかなり重要になってくる
こうした中、TikTokでプロモーションをするメリットは、プロモーションを含め、コンテンツを見るかどうかが大きく視聴者に委ねられているため、見たい人に自然な形で届けられることにあるのだ。