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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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ヒットの裏にマーケあり

「一途にファンを思い続ける」ヤッホーブルーイングのファンは、なぜ自らCVへの階段を上がるのか【後編】

よなよなエールに学ぶ、SNSを使いこなす秘訣

高橋:「隠れ節目祝い by よなよなエール」もそうでしたけど、SNSのプロモーションがすごくお上手ですよね。

井手:我々のように小さな会社だと、テレビCMのように莫大なお金がかかるプロモーションはそもそも選択できません。必然的に、メルマガやSNSなど、インターネットを通じたプロモーションがメインになるので、毎回「どういう人に、どんなイメージを持って欲しいか」「どの層のどういったニーズにアプローチしたいか」の検討と熟慮を重ねて展開しています。

 

高橋:チャネルによっても、顧客とのコミュニケーションの仕方は変わってくるのでしょうか。

井手:そうですね。同じSNSでも、Xなのか、Facebookなのか、Instagramなのかによってユーザー層が違うので、アプローチの仕方も変えなくてはなりません。これまでの知見の積み重ねをもとに、各SNSで最も効果がありそうな施策を使い分けています。

高橋:SNSでうまくプロモーションができると、ユーザーの生の声であるUGCが生まれることによって、親近感や信頼感の醸成にも役立ちますね。初期イベントの口コミと同様、UGCを通じてユーザーからユーザーへと良いイメージが伝播している印象ですが、このあたりは何かコツがあるのですか?

井手:現場のスタッフがPDCAを回しながらつかんでいるんだと思いますが、核になっているのは発信する情報の質だと思いますね。細かい枝葉はあっても、何より大事なのは届けたい人に刺さる情報であること。そもそも、最初に発信されている内容がお客様を満足させるものでなかったら、その先何をやってもうまくいかないでしょう。

 イベントやプロモーションの設計はプロジェクトチームに任せていて、僕は中間報告を受けたり、意思決定の場に顔を出したりするくらいですが、「届けたい人に的確な情報をお届けして、その人たちの爆上がりを待つ」という狙いはブレていないなと感じます。

よなよなエールでノーベル平和賞をとる!

高橋:一貫して顧客満足度を追求する姿勢が現在の成長につながっていることがよくわかりました。最後に、今後の展望をお聞かせください。

井手:近年、クラフトビールの知名度はかなり上がってきましたが、まだまだ飲んだことがない人や存在をよく知らない人がたくさんいます。クラフトビール業界のリーダーとして、知ってもらう、飲んでもらう機会を作ることにもっと注力していきたいですね。

 この1〜2年はネット上でのプロモーションへの投資をもう少し増やして、クラフトビールに触れるきっかけを作る活動を強化していくことになると思います。

 いずれは世界に飛び出して、クラフトビールを飲んで「幸せだ」と感じる人をもっともっと増やしたいですね。「宴」や「超宴」で初めて顔を合わせた人たちがあっという間に友達になったり、イベントで知り合って結婚したりするのを見ていると、思いを共有する人とおいしいビールを飲んでいる時間こそ本当の平和なんじゃないかなと感じます。

 最終的な目標は、よなよなエールでノーベル平和賞をとること。これ、かなり本気で言っています!

ここにマーケあり!

・相思相愛のファン作りには、“ファンマーケティング”ではなく、短期的な売上を捨ててでも圧倒的な顧客満足度を選択してきた取り組みにありました。

・購買の階段を上げるには、自社データの活用によりファンの熱量に合わせたプロモーション設計がカギでした。

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この記事の著者

高橋 飛翔(タカハシ ヒショウ)

 1985年生まれ。東京大学法学部卒。大学在学中にナイルを創業。

 ナイルにて、累計1,500社以上の法人支援実績を持つデジタルマーケティング支援事業や自社メディア事業を発足し「ナイルのマーケティング相談室」「ナイルのコンテンツ相談室」などを運営。2018年より新規事業として月10,000円台でマイカーが持てる「おトクにマイカー 定額カルモくん」をローンチ。自動車産業における新たな事業モデルの構築に取り組んでいる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/10 09:00 https://markezine.jp/article/detail/45531

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